Jリーグ初の障がい者チーム 横浜F・マリノス 「フトゥーロイレブン」の挑戦!

サッカーJリーグの記念すべき開幕戦は1993年の5月、ヴェルディ川崎(当時)対横浜マリノス(当時)の対戦でした。結果は横浜マリノスが勝利。あれから30年が経過しましたが、横浜F・マリノスといえば前身の社会人リーグで日産自動車サッカー部の頃からの名門チームです。その横浜F・マリノスに知的障がい者チームがあることをご存じでしょうか。
今回はその活動についてレポートします。実際に観戦した公式試合の模様と合わせて、ぜひご覧ください!

横浜F・マリノス フトゥーロとは

横浜F・マリノスフトゥーロは、障がい者のスポーツ施設である横浜ラポールと横浜市スポーツ協会が協力して2004年にJリーグ加盟クラブでは初の知的障がい者サッカーチームを立上げました。
横浜F・マリノス フトゥーロでは、AチームからEチームまで、サッカーの技術レベルに分かれて110名以上が所属しています。練習や試合を始め、地域イベントやサッカー教室などの活動を通して横浜近辺で地域貢献しています。
横浜F・マリノスフトゥーロへの参加条件は、中学1年生以上の人。愛の手帳保持者(知的障がい者の方に交付される手帳)です。

「フトゥーロ」とはスペイン語で「未来」を意味する言葉です。誰もがスポーツを身近に楽しめることを目的に障がいの有無にかかわらず活動しています。2018年度からは新しい挑戦として「横浜市社会人リーグ」に登録して健常者のチームとリーグ戦を戦っています。

写真:試合前のフトゥーロイレブンが前後2列になって前を向いている

知的障がいサッカーのルール

ルールはFIFAルールと同じですが、障がいの程度により試合時間を短く変更することもありますが、国際試合などは45分ハーフで実施します。
その他、競技そのものは皆さんが楽しんでいるサッカーと何ら変わりません。コミュニケーションや戦術理解、判断力などの指導に工夫が必要です。

横浜F・マリノスフトゥーロについてはこちら(新しいウィンドウが開きます)

編集部員が横浜社会人リーグの試合観戦

写真:コーチがキャプテンにボードを見せながら後半の守備方法を説明している

3月の中旬に行われたAチームが参加した横浜市社会人リーグの試合観戦の模様です。
最初は押される展開。フォワード(FW)の梅村選手がなかなかボールを受けられない。つい下がってボールをもらおうとしてしまいますが、ベンチからは「下がらないで我慢」の指示が…
そこで、ポストプレー(相手ゴール前に位置する選手が味方からのパスを受け、そこを起点に得点をねらうもの)をしてキープ。
ボールに触りたい梅村選手には我慢の時間が続きますが、その間にも失点してしまいます。その後に梅村選手からのパスに反応した選手が、中央に切り込んで、鮮やかなゴール!
同点に追い付きました。喜びを爆発させる横浜F・マリノスフトゥーロ!
そのままハーフタイムに。コーチから後半のディフェンスについてボードで守備位置と守り方の確認と指示がボードを使って説明が入ります。

写真:梅村選手が同点ゴールを左足でシュートしている前半と違い動きの良い選手たち。梅村選手のポストプレーからサイドへの散らすプレーでゴールに迫ります。しかし、相手のカウンターから失点。またもリードを許す展開に…ベンチの指示で選手交代をして攻撃的にすると直後にチャンスがおとずれるも惜しくもボールは枠の外へ…悔しがる選手たち…
写真:ゴールキーパーがキックをする姿 それでも攻め続け、梅村選手が意地の同点ゴールでまたも追いつきます。ベンチはお祭り騒ぎです。しかし、その後にセットプレーから失点し、つづけて失点。それでもボールを追いつづけますが、試合終了をつげる笛の音が響きました。試合後に選手たちが「ナイスキー」とゴールキーパーに一言。最後までゴールを守ったゴールキーパーにねぎらいの言葉をかける様子が選手たちの関係を表していました。

選手からのコメント

梅村俊佑うめむらしゅんすけさん

写真:梅村俊佑さんの笑顔でユニフォームを着た姿 Q:今日の同点ゴール、左足で決めましたね。すごい笑顔でしたがいかがでしたか。また、横浜F・マリノスのユニフォームを背負うことの素晴らしさをどう感じていますか。
A:ゴールを左で決めたことがなかったので、嬉しかったです!自然と笑顔が出てしまいました。F・マリノスのユニフォームを着れることに誇りに思いながらプレーしています。

小林佑平こばやしゆうへいさん

写真:小林佑平さんの笑顔でユニフォームを着た姿 Q:横浜F・マリノスとキャプテンという2つの重いモノを背負っていると思うんです。そこについてはプレッシャーはありますか?
A:そうですね。やっぱりみんな個性のあるメンバーなので、まとめるのは難しいですが、いつもコーチと話し合いをするように心がけています。
僕らはすごく仲の良いメンバーがそろっているので、そのメンバーをまとめることをしっかりやればいいいと思っています。
例えば、後ろからは声を出すとか、みんなでやってほしいと普段から伝えています。僕は最終ラインで守っているので、しっかりパスを前へつなげる仕事を頑張っていきたいなって思っています。

横浜F・マリノスフトゥーロスタッフからのコメント

フトゥーロは今年で21年目をむかえる知的障がい者のサッカーチームです。
Jリーグ横浜F・マリノスと同じマリノスファミリーとして参加する選手たちは誇りをもって活動しています。
知的障がい者日本代表となる選手から、最近サッカーを始めたという選手まで幅広く活動できるのが最大の特徴だと思います。個々の目標や目的に合わせてレベル分けをして活動しています。
サッカーを通して、人として成長することも大切にしています。挨拶をすることなど、最初はあまりできなくても、「できるようになった」そんな話を聞くと非常に嬉しく感じる瞬間でもあります。
今回の試合は横浜市リーグという、同じ障がい者ではない相手で、練習の成果を発揮すべく試合に臨みました。残念な結果にはなってしまいましたが、通用する部分もあり選手も自信がついた試合だったと思います。
とはいえ結果は結果として受け入れ選手たちと課題を共有し、フトゥーロを代表とするチームとしては勝利を目指した中で内容にもこだわるように伝えています。
もちろんフトゥーロの中でもチームによって求めることも変わります。個々の目標に向かって励んでいきます。

イラスト:編集後記

F・マリノスフトゥーロのイレブンたちの活動と試合模様、インタビューはいかがだったでしょうか。今回、私はピッチの間近で試合観戦をしました。試合は、身体と身体がぶつかり合うとても激しい内容でした。久しぶりの試合観戦だったので、余計にフトゥーロイレブンのひたむきな姿勢に感動し、心を熱くゆさぶられました。試合後のインタビューは、私の方が興奮していたかもしれません。試合前はボードを、使って分かりやすく説明。プレーの切れ目では選手同士で必ず声かけをする。ベンチからもテンポ良く適切なコーチング。中でも「当たり前のコトをやる、最後までやりきるよ!」の声が印象的で選手同士も互いを褒め合う声が飛び交いながらの試合で素晴らしいチームだと感じました。
皆さんも興味があったらフトゥーロイレブンの未来と一緒に参加、応援をしてみてはいかがでしょうか。

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