2014年02月12日掲載
2月7日からロシア ソチで「冬季オリンピック」が開会し、スキージャンプやフィギアスケートでのメダル獲得に期待が高まっており、ウインタースポーツに注目が集まっていますね!
また、来月3月7日からは「冬季パラリンピック」も開催されます。
みなさんは、障がい者も冬のスポーツを楽しんでいる事をご存じでしょうか?
2006年トリノオリンピックで日本女子代表チームが健闘した「カーリング」。
この障がい者スポーツである「車いすカーリング」をご紹介します。
ぜひ、ご覧ください。
車いすカーリングとは
カーリングをベースに1990年代にヨーロッパで始められた障がい者スポーツです。
カーリングの場合は、氷の上に固定したゴムのブロックを足で蹴った勢いでストーン(滑る石)を滑らせますが、 車いすカーリングの場合、氷上に車いすを静止させ、助走なしにストーンを滑らせるか、ストーンをキュー(長い棒のような器具)を使って、ストーンを押し出すようにして滑らせます。
一度手を離れたストーンは、健常のカーリングと違い、スウィーピング(ブラシで氷上をこする動作)を行えないことが特徴です。
2006年のトリノ大会からパラリンピックの正式競技になりました。
主なルール
一般のカーリングの競技ルールに準じ、用具・競技施設は共通です。
車いすカーリングの特徴
- 静止状態の車いすから投球する
- 投球の際には、ストーンの取っ手部分に合うよう作られた、専用のデリバリースティック(キュー)を使用できる
- ブラシなどを使って氷の表面を掃かない(スウィーピングは禁止されている)
- 男女混合の4名でチームを構成する
- 1試合は8エンド(2011年から改正:従来は6エンド)
主な車いすカーリング競技大会
- 世界車椅子カーリング選手権
- 日本車椅子カーリング選手権
弊社社員で「車いすカーリング」選手として楽しんでいる戸田さんに競技の魅力などを聞きました。
戸田社員からのコメント
車いすカーリングとの出会いは、会社のセミナーで講師として、女子カーリングの「ロコ・ソラーレ(北見)」チームが来られた時、「チェアカーリング」の存在を知ったことがきっかけです。
その後、カーリング協会の方を紹介してもらい、現在「札幌アイズアップ」という車いすカーリングチームに所属しています。
練習は1週間に1回で、主に土日や勤務後の場合もありますし、他に妹背牛町(もせうしちょう)や札幌で合宿を行っています。
メンバーはそれぞれ社会人として違う仕事をしていますので、都合がつかず一緒に練習できないことがありますが、少ない練習時間を工夫してつくりだしチームワークを高め、試合で競い合っているときは楽しいですね。
また、試合中リンクの状態が場所やレーンによって刻一刻と変化していきますので、リンクの状態を読み取って勝利できたときは特に気持ちがいいですね。
失敗談で以前、試合中に緊張していたこともあり、車いすカーリングで使用するスティック(キュー)ごと投球してしまったことがあります(笑)。
車いすカーリングの魅力は公式試合は障がい者スポーツではあるけれども、練習やオープン大会は老若男女、障がい者も健常者も誰もが一緒にチームを組んで楽しめるスポーツであり、障がい者だけのスポーツというバリアはないところがいいですね。
今後は、まず3月21日からどうぎんカーリングスタジアム(札幌)で開催される日本選手権で優勝目指したいです。
今回日本は、ソチパラリンピックの出場権が獲得できなかったので、2018年平昌(韓国)の出場を目標に頑張りたいと思います。
トリノオリンピックから話題となった「カーリング」は、氷上のチェスと言われ、戦略の駆け引きがとても重要な競技です。
ルールは少し異なりますが、障がいや性別が関係なくリンク上で楽しめるのが魅力の「車いすカーリング」からも目が離せなくなりそうですね。
今後、ますます発展し、次の冬季パラリンピックに出場することを願います。