ゆうゆうゆう編集部員座談会「障がい者スポーツについて:後編」

2019年09月17日掲載

前編では、障がい者スポーツの必要性やスポーツを始めるまでの体験談を交えて話しました。そこで後編では、障がい者スポーツの課題と理想の未来について編集部員が熱く語り合いました。

写真:左上は視覚障がいの女性編集部員がブラインドマラソンをしている。右上は聴覚障がいの男性編集部員がバッティングしている。左下は上下肢障がいの車いすユーザの男性編集部員がアーチェリーをセッティングしている。右したは下肢障がいの車いすユーザの男性編集部員がクロールをしている。Do You Like Sports?とポップなタイトル

2人に1人の障がい者は、スポーツ・レクリエーションに関心がない?

平成29年度の国の調査によれば、障がい児・者は特にスポーツ・レクリエーションに関心はないのが約50%。また、重度の障がい別では、視覚障がい者が、スポーツ・レクリエーションを行いたいと思っているけどできないが約30%で、本人の興味・関心があるものの実施できていないということが分かりました。

障がい者スポーツ=パラアスリートを目指してる訳じゃない。広く浅くスポーツを楽しむだけじゃダメなの?

およ: ただ、競技になると覚悟が必要になると思う。 大げさに聞こえるかもしれないけど、仕事と家庭を両立させるには、本当に覚悟がないと続けられない。

画像:りょ編集部員のバストアップ。りょ: そうだよね、別に競技を目指さなければいけない訳じゃないから。たまに、競技を勧めてくる人は、ちょっと引いてしまう。
ある程度スポーツを続けることによって、もしかしら大会に出てみようかなって気になるかもしれないけどね。
人って、だんだん上達していくと欲が出てくるから。

およ: たぶん、私それ(笑)。

ごう: 楽しむためのスポーツで十分な人もいれば、競技を目指してみようかなって人もいるし、それは人それぞれタイミングにもよるよね。

ふじ: 自分は、競技をしてみたいから始めようって考えだね。
ただ、一人ではできないので介助者が必要!だだ介助者が見つけられない。

およ: どういう人がいいんだろう?

ふじ: ヘルパーさんだと時間で区切られるから、競技の場合どうなんだろうボランティアかな。ヘルパーさんに頼めるのであれば、料金払ってでもお願いしたいけどね。そのボランティアの見つけ方がわからない。

およ: 私のブラインドマラソンの伴走者は全員ボランティアだよ。
朝練の人、夜練の人、全部ボランティア。

ふじ: ボランティアでも、少しでも払ってあげたいって思っちゃうんだよね。
タダでやってもらおうっていうのが苦手なの。

りょ: それは、結果出して恩返しすればいいんじゃない?

画像:およ編集部員のバストアップ。およ: タダでやってもらってるけど、だからってそれを…なんて言うんだろうな、私、ボランティア精神っていうよりは、一緒に競技をしているっていう感覚なんだよね。「一緒にココを目指しています!」みたいな人じゃないと、私も頑張れないかなって思う。
来てくれる人にも家庭や仕事の時間もあるし、自分にすごい時間を使ってもらっているから、本当に申し訳ないっていう部分もあるけど、けどそれを伴走者がボランティア精神っていうよりは、本当に自分と同じ目標を共有できる人が来てくれてるって感じる。
そのせいか、良く「遠慮しないでね」って言われる!

ふじ: 「自分がやりたいから来てます」ってことか。

およ: ただのボランティア精神では続かないと思う。

ごう: 例えば、各競技の協会に入ったらサポートの人たちって紹介してくれないの?

ふじおよ: 自分で探す。探してくれない。

りょ: 何のための協会?協会ってそもそも何?

およ: 競技の場合は、協会に属していないと大会に出られなかったり、それこそ大会を主催したり、国際大会の場合は選手を推薦したりしてる。競技をする場合は、段階を踏んでいかないといけないし、協会に属していると諸々有利かな。
だから、みんなそれぞれの競技団体に属している人がほとんど。

画像:ごう編集部員のバストアップ。ごう: なるほどね。アスリートならやっぱり競技団体に入らないと何かと不便かもね。ただ、単にスポーツを楽しみたいって人はどうしたらいいのか?って話に戻ると、ある調べによると、全国では、障がい者専用・優先のスポーツ施設が141あるんだって。けど、何も専用の施設じゃなくてもスポーツができる障がい者はいると思うんだよね。

およ: だから、スポーツをできる場所も重要なんだよね。

りょ: やりたいスポーツにもよりますけどね。

ごう: 自分のように水泳やりたければ、プールのある施設を探さないといけないという物理的な問題と、それを探す時間も必要だしね。

およ: 私は、マラソンだからどこでもいい。サポートしてくれる人がいなければできないけど。

りょ: 聴覚障がいは特に関係ない。全く聞こえない人でも見えるし、健常者に交じってスポーツしている人もいる。
そもそも、コミュニケーション能力の問題だと思う。

およ: そうか!コミュニケーション取れなければ出来ないものね。

ごう: コミュニケーション取ることを諦めてしまうと、そこで障がい者スポーツはできないということだね。

りょ: 聞こえなくても、見えなくても、車いすでもコミュニケーションを取ることが大事!

およ: だから私は、やっぱり障がいのこと、障がい者スポーツを知ってもらうことが重要かなって思う。
そのコミュニケーションを取るためには、相手のことや障がい者スポーツを知らないとコミュニケーションが取れないから。

ごう: その競技をより深く知るためには、人とのコミュニケーションや情報が一番大事ってことだね。

ふじ: もっとテレビで放送すればいいのにって思う。障がい者スポーツってほとんど放送されないじゃない?

およ: そう。色んな放送局で放送して欲しい!国際大会だけじゃなく、国内大会も。

画像:ふじ編集部員のバストアップ。ふじ: 難しいかもしれないけどね。ただ、テレビで放送されると、みんなの今までの関心が変わってくると思う。障がい者サッカー関連は、ライブ配信やってるよね。だから、東京2020パラリンピックがどれだけ放送されるか興味がある。
自国開催だから、できるだけライブでたくさん放送して欲しい。

りょ: 来年のパラリンピックを見て競技を始めたいって思う人が増えるといいよね。 テレビを見た人が、自分でも出来るんじゃないかなって思う人が出てくるかも。

ごう: つまり、自分の障がいレベルでどんなスポーツができるかっていうのをパラリンピックを通して知ってもらえればいいなってことだね。

りょ: 来年の東京2020が、いいきっかけになるかもしれない。

一同: そうなって欲しい!

イラスト:編集後記

いかがでしたでしょうか?これが編集部員たちのリアルな障がい者スポーツ事情です。
特に重度の障がい者がスポーツを気軽にできるようになるのは、まだまだ先なように感じました。
しかし、本当にやってみたいと思う方は、あきらめずに近くのスポーツ施設やスポーツをしている友人などを頼るのが近道かもしれません。

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