2019年12月10日掲載
毎年12月3日から12月9日までの1週間は「障害者週間」となっています。
障がい者福祉への理解や、障がい者が社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に積極的に参加する意欲を高めることを目的としています。その中でも、今回は「障がい者雇用」について編集部員で語り合いました!
障がい者雇用率の数字だけが一人歩きして、雇用実態については不透明に感じる
平成30年度に国が行った調査によると、民間企業で働く障がい者の数は初の80万人超え!
身体障がいは約41万人、精神障がい者は約22万人、知的障がいは約19万人。各種障がい者雇用は右肩上がりになっている!?
職場に求めることとは?
ごう: みんな障がいの種類や職歴が違うけど、会社を選ぶにあたってどんな条件があった?
およ: 私は、パソコンを使用する際に必要な画面読み上げソフト、画面拡大ソフトと、紙資料を見るときに使う拡大読書器を用意してくれること、駅から近くて通勤しやすいこと、土日休みのところ。
ふじ:
自分は、就職できると思っていなかったから何も考えてなかった。
けど、いざ仕事を紹介してもらえるってなったとき、実際の職場に行って面接を受けさせて欲しいってお願いした。そうすればバリアフリーの条件が整っているかとか、自分の力で上がれるスロープなのかとか、聞かなくても分かると思ったから。
りょ: 自分も特にこれといって何も無かったんですけど、ここに入社したのは聴覚障がい者が少なかったからかな。
およ: 少ない方が良かったの?
りょ:
そうですね。中学、高校、専攻科とろう学校だったから、視野を広げるためにもあえて聴覚障がい者が少ないほうがいいと思った。
あと、機械系を専攻していたから、求人は工場の流れ作業の仕事が多くて、そういう仕事は向いてないと感じていたのと、遠方の勤務地ばかりだったし。
ごう:
なるほどね。自分は、自動車通勤できることが最優先だった。
あとは、住宅補助や定期通院ができる福利厚生面も重要視したかな。
精神障がいや知的障がいの人もそれぞれ条件はさまざまなんだろうね。
およ: 確かに。人によっては、設備とかは必要ないけれど集中できる環境を条件として求めていて、在宅勤務ができる職場も増えているよね。
ごう: 本当にここ最近だよね。在宅勤務が注目されるようになったのは。
およ: 在宅勤務は通勤が大変な人っていうイメージで、車いすユーザに向いているっていうのもあるけど視覚障がいの人も結構やってるよ。
ごう: そもそも各障がいによって向いてる仕事ってあるのかな?
ふじ:
向いてる仕事って人それぞれ違うからな…。自分に合った仕事じゃないとね。障がいの種別によって「この仕事」って限定されると嫌だよね。例えば、官公庁の募集が最近増えてるけど、官公庁の人って実際にどんな仕事ができるか知ってるのかな?
もともと、優秀でバリバリ働いてた障がい者の人は、実際働いてみると、理想と現実のギャップを感じて辞める人が多いって記事も見るけどね。
ごう: 確かに!法定雇用率ありきで、肝心の仕事内容や障がい配慮が分かってなかったら本末転倒だよね。
およ: 障がいについて理解してほしいのに、ノウハウがないのは悲しい。
りょ: 法定雇用率は民間よりも高いし、長期間水増してたのに本当に達成できるんですかね?
ふじ: 最近では、ノウハウを民間に求めたりして頑張って募集はしているけどね。けど、自分の特性に合った仕事や、自分がやりたい仕事が見つかればいいよね。
ごう: 確かに。自分とおよさんは転職経験があるけど、退職理由は聞いていい?
およ:
一般企業での就業だったんだけど、会社の人が何をさせていいか分からないっていうのは感じたかな。
指示される仕事はすぐ終わってしまうような仕事で、その中で働いていると申し訳ないって思ってしまって、「私ここにいて本当にいいんだろうか?」って、精神的にもきつくて、ずっといるのは無理だと思って辞めた。
ごう:
なるほど。自分も同じく2社とも一般企業で働いていたんだけど、共通して言えるのは会社の雰囲気かな。
言いたいことをなかなか言えないみたいな感じだった。今考えると給料も福利厚生も良かったんだけどね…。
およ: そう考えると給料や福利厚生だけじゃないんだね。
<後編へつづく>