自分らしく学ぶことができるNHK学園<後編>

2020年04月14日掲載

先生に、学園の特徴や生徒のことなど熱い想いを伺いました。

学校に安心して通えるように

写真:NHK学園の先生の様子

Q: NHK学園にはどのような方がいらっしゃるのでしょうか?

A: 中学を卒業してすぐの10代の方から80代という方々まで、さまざまな方が学んでいます。
人それぞれの事情によって、中学や高校に通えなくなった人など 高校卒業の資格を取りたい方が多いでしょうかね。 

Q: どのようにして勉強されているのでしょうか?

A: 普通科と特科があり、自分に合ったコースで学び方を選ぶことができます。
従来からある学び方が「ベーシックコース」といって、 月に1から2回学校に通い、それ以外は自宅で「NHK講座」の番組を視聴し、レポートを提出するという通信制です。
学園全体でみるとこのコースで学んでいる生徒が一番多いですね。
北海道から沖縄まで生徒がいて、私たちは「協力校」と呼んでいるのですが、 そちらに生徒が通います。
全国どこにいても通えるというのがNHK学園の大きなメリットですね。
今は、インターネットを利用できますので、「ネット学習コース」を利用する人も増えて 海外からも受講できるようになっています。
そして、週に3日間ここの学園に通って授業を受ける「登校コース」があります。
少人数で行うので、生徒にとっても勉強しやすいという環境ではないかと思っています。

Q: 確かに先ほど授業風景など見させていただきましたが、先生と生徒さんの距離が近いと感じました。
今まで学校に行くことが難しかった生徒さんなど、一歩踏み出しやすい印象を受けます。

A: 写真:先生が教室で授業を行っている様子 そのほか、中学校時代に学校になかなか行きづらかったいわゆる不登校の経験がある生徒に特化した「ネット学習do itコース」というのがあります。
そのコースは、もちろん国語、数学など一般的な科目もありますが、それとはまた別に 例えば、「部屋の模様替えをした」「料理の手伝いをした」など、そのような内容もレポートで学校に提出してもらい、それも高校卒業の単位として認めています。
学校に一人で来るのが難しい生徒も多く、そういうコースは保護者が同伴し、授業中に隣の席に座ってもらう場合もあります。

お互いに学び合える

Q: 年齢などもさまざまで、本当にいろんな方々がいらっしゃるのですね。
先生が、NHK学園のここがいいと思うのはどういうところですか?

A: この学園は、いろいろな人が学びあっているというところがいいところです。
私が初めて担任を持ったときに、生徒たちのほとんどが私より年上で、 ホームルームの中では、ある意味社会勉強を逆にさせていただくというような場面もたくさんありました。
今のクラスは、少しやんちゃな子やとてもおとなしい子がいたり、進路の方向性も就職したい子や進学したい子がいたり、とバラバラです。
ただ、学び合うという同じ環境の中では、生徒たちが一人ひとりを尊重し合っていると感じます。
あと、手前味噌になりますが、先生たちがみんな素晴らしいところです。
生徒一人ひとりが違うという点を大事にし、寄り添って指導される姿を目の当たりにして、私自身も至らない点もありますがそのように対応しています。
先生や生徒たち自身が自然と多様な人たちを尊重していると実感できます。

Q: 生徒や先生たちがそれぞれにお互いを尊重して、寄り添っているというのは なかなかないですよね。どういうときに感じますか?

写真:NHK学園の先生の様子

A: 例えば一般の全日制の学校は、クラスに30人から40人くらいで一斉に授業をして、試験をしていると思います。
私たちももちろん、そういうスタイルをとっているのですが、職員室の前にテーブルがあり、そこで個別に勉強教えるなど、マンツーマンの対応が多いです。
一人ひとりに合わせての方が、私たちもそうですが、生徒たちにもいいと思っています。
やはり、生徒たちが目的意識をはっきり持っているので、お互い寄り添うことができるのではないでしょうか。

Q: 生徒さんがのびのびと過ごしていると感じます。
学校には校則などもあるのでしょうか。

A: 最近ブラック校則とかいろいろ話題になっていますけれど、 特に校則は設けていません。
例えば、世間一般だったらスマートフォン没収などありますが、 この学園には縛りがないのである意味、生徒が自分たちで社会ルールを考えられるようになると思います。
そこでどこまでなら許されるかなどを自分で考えられるようになり、社会人としてのマナーなど自然と身につきます。 たまに校則あると楽なのにと思う瞬間もあるんですけれども、ない中でどこまでが許されるラインなのか、言われて抑えつけられるよりは、自分たちで気づいてたくさん失敗してやっていった方が、学びとしては、いいように感じますね。

魅力あふれるNHK学園になるよう

Q: お話を聞いていると、先生と生徒が近いということを感じます。
これまで、印象に残っていることなどありますか?

A: 生徒が自分たちの生活や今までの経験などを振り返って文章を書く「作文コンクール」という取組みがあります。
今年の作文コンクールで印象的なキーワードは「同調圧力」という言葉でした。
要するに、今までの学校は同調圧力がすごく強かったけど、 この学校には、それがなく今の私をとても居心地よくしてくれて、勉強ができるという内容なのです。
しかも一人だけでなく、何人も書いていました。
逆に今の全日制の学校は、みんなで一斉にこっち向いて、行くぞーという形で、もしやっているんだとしたら そこで息苦しくなったり、つまづいたりする生徒が多いのかもしれません。

Q: 本当に色々な方がいらっしゃって、それぞれ思うことがあるんだと感じます。
NHK学園の今後に向けた想いをお聞かせください。

A: 当たり前ですけれども、きちんと勉強して卒業してほしいと思っています。
通信制の学校の場合、少し甘やかしていると思われがちなところがあります。
私たちは、レポートを提出して試験を受けて単位を取得して卒業するというルールでやっています。
そのために、1つひとつ課題をクリアしていく必要がありますが、色々な事情でできない生徒もいます。
そういう人たちを一人ひとり、その人のペースに合わせながら、待つときは待つ、背中を押すときには押すということを、 先生方が本当に一人ずつしてくださっているというのが本当に素晴らしいと思っています。
ここ最近、入学を考えてくださる保護者と生徒のみなさんへの「学校説明会」の中で、3つの自慢を伝えています。

1つは立派なこの校舎です。

写真:NHK学園のグランド
通信制の学校の場合、駅ビルなどでワンフロアを借りて教室を開いているところが多いです。 うちの学園のように、フットサルのコートやグラウンド、音楽室にグランドピアノがあったり、理科の実験ができたり、 こうした設備が整っているところは少ないと思います

2つ目は先生です。

写真:NHK学園の先生の様子
先ほどありましたように、先生たちがすごく一人ひとり自分の力を最大限出して、生徒指導しています。

そして3つ目は生徒です。

写真:理科室で授業の模様
一年生の時はチャラチャラしていて、「大丈夫かなこの人」と思うような子もいました。
それでも卒業するまでに、どんどん顔つきが変わり本当に頑張っていく姿を見届けることができます。
あるいは、それぞれの選択肢をみつけて、しっかりと歩いていく、その力を持っているということを、日々実感できるのです。

まだまだ通信制の学校は、世間一般では認知されていないと思うのです。
最近、規制緩和の後に、株式会社も通信制の学校を作って増えています。
通信制は、例えば個別学習であったり、主体的に学べたり、ICTを活用したりといいうのが強味です。
今の時代は情報化社会で忙しかったりストレスが多かったりと何が一番大事かを見失いがちな人が多いかもしれません。
プラス思考で、この学校をきちんと選んで、自分の時間は自分でコントロールしながら、毎日を生きて行って、その次のステップに行くというような生徒たちが増えてほしいと願っています。

NHK学園情報

名称:学校法人NHK学園
所在地:〒186-8001 東京都国立市富士見台2-36-2
問い合わせ先:TEL(042)572-3151(代表) FAX(042)574-1006
HP:学校法人NHK学園はこちら(新しいウィンドウが開きます)

イラスト:編集後記

写真:NHKのキャラクター「どーもくん」 NHK学園を取材させていただき、授業の様子から、生徒さんと先生方の距離が近いと感じました。
本当に一人ひとりのことを考えて生徒に接している先生たち。
それがわかるから生徒がのびのびと学校生活を過ごせているように思います。
自分で考え、行動していくことがこれからの社会に必要なことなのかもしれないと思いました。
そして、今世界中で新型コロナウィルスの影響で教育の場面にもさまざまな支障が出ています。
そこで有効活用が期待されている通信サービスを利用したネット学習などです。
NHK学園の学び方は、とても参考になるのではないでしょうか。

<前編へもどる>

特別協賛企業の製品・サービスのご紹介

  • NTT ExCパートナーの公式サイトへ
  • 特別協賛企業の製品・サービスのご紹介_日本電信電話
  • NTTファイナンス株式会社の公式サイトへ
  • 株式会社NTTロジスコの公式サイトへ
  • NTTアドバンステクノロジ株式会社の公式サイトへ
  • 株式会社NTTアドの公式サイトへ

お知らせ

編集部のおすすめ記事

  • ゆうゆうゆう便り(メルマガ読者募集中)
  • ゆうゆうゆうのfacebook
  • 広告バナー募集中
ページの先頭へ