ゆうゆうゆう編集部員座談会「障がい者のニューノーマルとは?」

2021年06月22日掲載

世界中で新型コロナウイルスが感染拡大し始めてから1年半が経ち、私たちの生活は大きく変化しました。最初はその変化になかなかついていけず、戸惑う方も多かったのではないでしょうか?
今回、障がい当事者のゆうゆうゆう編集部員たちがコロナ禍の現状と、これからについて語り合いました。ぜひ、ご覧ください。

イラスト:車いすユーザの男性編集部員2名、聴覚障がいの男性編集部員、視覚障がいの女性編集部員の笑顔

初の緊急事態宣言から約1年経った働き方

イラスト:ごう編集部員のバストアップ。下肢障がい(車いす使用)ごう: この1年半、編集部も取材方法や記事の作り方がだいぶ変わってきたよね。
自分は、イラスト作成やホームページのコーディングをするときは出勤して、記事を書くときは在宅ワークが多かったな。

イラスト:ふじ編集部員のバストアップ。上下肢障がい(車いす使用)ふじ: 自分は、最初在宅ワークが多かったけど、最近は戻りつつあるかな。
けど、在宅でもできるものね、できないと思ってた業務だったけど。
それに、在宅は移動する時間がないから車いすユーザの自分には嬉しかったね。

イラスト:およ編集部員のバストアップ。視覚障がい(弱視)およ: 私も、在宅ワークで移動する時間が無くなったのが良かった。記事の執筆にも集中できるし!
会社だと、電話を取りついだり、他の頼まれごととか、集中できないこともあるしね。
あと、宅配物の受け取りやガスの点検とか、これまでは日程調整しなければいけなかったことが、在宅ワークだと日程変更する必要がなくて楽になった。けど、視覚障がい者にとっては、ある程度の通勤も大事だなって思った。
外出機会が減りすぎると、歩くときの感覚が鈍ってしまうから…。

イラスト:りょ編集部員のバストアップ。聴覚障がい(補聴器使用で会話可能)りょ: 自分は、仕事柄あまり在宅ワークをすることが少なかったかな。出社すると、みんなマスクしているから聴覚障がいの人たちにとっては、口の動きが読めなくて会話が難しいですけどね。
オンラインで仕事をするときは、資料共有やチャットのやり取りなど、文字情報による情報共有もあるので少し楽になったと聞いたことはあります。

イラスト:ごう編集部員が在宅ワークをしている。下肢障がい(車いす使用)ごう: オンラインで、住んでいる地域に関係なく仕事ができるようになったって話も聞くけど、それはいいことだよね。
あと、対人関係が苦手な精神・発達障がいの人は、オンラインで仕事しやすくなった人も多いみたいだけど、作業系の就職先が多い知的障がいの人は、企業の業績悪化で解雇が増えたってニュースも聞くよね。

りょ: 聴覚障がいで言うと、オンラインを活用したオンライン旅行や手話などを使った謎解きゲームが話題になりましたね。
そんなふうに、オンラインを活用した新しい仕事が生まれればいいんですけどね。障がいの種別によって格差が生まれるのは問題ですよね…。

一同: 確かに!

ニューノーマルな日常生活とは

ごう: さっきのオンライン旅行みたく、日常生活でもさまざまなサービスや便利になったこともあったよね?自分は、動画配信サイトやライブ配信なんか楽しんでいたよ。

ふじ: 会食や外出が減ったから体力が確実に落ちたね。その代わりネットショッピングを利用することが増えた!そして空き段ボールもだけど。

およ: 私もネットショッピングが増えたし、外食することがなくなってデリバリーを頼むことが多くなった。在宅だと食事を作らなきゃいけないから面倒な時は楽ができてうれしい(笑)。
最近行かなくなった近所のスーパーが、セルフレジになったとヘルパーさんから聞いた。肢体障がいで手に麻痺がある人や、視覚障がいの人は、結局人にお会計を頼むことが多いけどね。

ふじ: 最近、電子決済ができるスマートウォッチを買ったから、会計のとき腕をかざすだけで良くなって便利!
いつもレジの人にお財布渡してお金出してもらってたからね。手に麻痺がある人にとっては役立つね。

イラスト:およ編集部員がネットショッピングで悩んでいる、りょ編集部員はセルフレジでお会計をしている

りょ: 聴覚障がいの場合、店員さんとのやりとりがないから便利になったって思います。あと、通常国会から手話通訳士が導入されたのはインパクトありましたね。透明マスクも話題になったし!
緊急事態宣言発令中は、野球やラグビーの合同練習ができなくなりましたけど、ジムに通って体力づくりしてました。

ごう: いいねージム!障がい者がスポーツできる施設って、ただでさえ少ないのにコロナの影響で数か月も休業されたときは、体力が一気に落ちたね。最近やっと体力戻ってきたけど。
一般のジムでも通えるもんなら通いたい!お金はちゃんと払うから(笑)。

およ: 障がい者がスポーツできる施設を2030年までに増やすってニュースも出てたけど、お金と時間もかかるから、本当に実現できるのかなって思う。

ふじ: 日本は欧米と比較すると、初心者でもスポーツを楽しめる施設が極端に少ないから、難しいかもね。

ごう: 確かに!ただ、世界中で不便な生活を強いられたことで、障がいのある人に対しても少し理解が深まったような気がする。
例えば、聴覚障がい者がマスクで会話しにくいって話題になった時は、手話通訳士が活躍したよね。オンラインが促進されたことで、通勤困難な人たちの就業も可能になったり。

およ: そう、悪いことばかりじゃなかった!例えば、新型コロナウイルスが流行した頃はお店の人も周りの人も声をかけてくれる人が少なくなったけど、今はまた声をかけてくれる人が増えてきたように感じる。

イラスト:ふじ編集部員が車いすを漕いでいるが、通りすがりの女性が声をかけようとしている

りょ: ニュースを見る機会が増えたせいかな?
障がい者に対する理解も少し進んだのかもしれませんね。コロナが終息したら、みんなでご飯食べに行きたいですね。

一同: 行きたい!

ふじ: まだ、しばらくはこの状況は続くかもしれないけど、ワクチン接種も始まったし徐々に明るい光は見えてくるはず。

ごう: そうですね。すぐには元の生活に戻れなくても元の生活に戻ったとき、何をしたいか想像して、それに近づくためにはどう行動しなければならないかは、考えられますもんね。

およ: 次回の座談会は「コロナが明けてやってみたこと!」みたいなテーマになればいいな。

一同: それいい!

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