残暑が厳しく、寝苦しい夜が続きます。秋の訪れが待ち遠しい今日この頃です。
さて、秋と言えば「食欲の秋」「スポーツの秋」「読書の秋」などさまざまありますが、みなさんはどのような秋を思い浮かべるでしょうか?
今回は「芸術の秋」を体感するため、車いすユーザの編集部員が「深大寺陶芸教室」で陶器作りにチャレンジしてきました!ぜひ、ご覧ください。
深大寺陶芸教室とは
1979年に開会した会員制の陶芸教室です。東京都調布市の豊かな緑に囲まれた場所にあります。
約30年前から行っている老人ホームでの出張陶芸体験会などをきっかけにバリアフリー化に取り組むようになり、現在の建物になりました。
建物がまるで陶器のような質感の外壁で目立ちますが、正面の大きなけやぎの木も目印になります。
講師陣は6人で「入会前の教室体験」「子どもの陶芸体験」「大人の陶芸体験」などを定期的に開催しています。
「出張陶芸体験」も人気でしたが、現在はコロナ禍のためしばらく開催ができていません。
各部屋の紹介とバリアフリー状況
<1階>
1階のギャラリーでは講師陣の作品を常時展示しています。
また、作業部屋と窯部屋(かまべや)があります。
窯部屋は電気窯で作品を焼く工程を行う部屋で、色をつける50種類以上の釉薬(うわぐすり)も置いてあり、作品に合わせて好みの色を選ぶことができます。どちらも段差はなく、一番狭い通路でも車いすが通れるほどの幅があります。
そのほか、階段にはしっかりと握れるタイプの手すりがあり、車いすユーザ1人が乗れるエレベータも完備されています。
<2階>
2階のギャラリーでは教室主催者の馬場咲夫氏の父、吉田実氏の展示や年に数回開催される会員、会友、作家などの作品が展示されています。
また、休憩室には過去の個展記録や陶芸の関連本などが多数置いてあり、ギャラリーの奥には、車いすユーザでも利用できるトイレが完備されています。
扉は蛇腹(じゃばら)の折れ戸で、軽い力で開閉することができます。
<駐車場>
陶芸教室の表側には4台分、裏側には5台分の駐車スペースがあります。
車いすユーザが利用できるのは表側と裏側に1台ずつあり、事前予約が必要です。
ロクロや作業机が置かれた北側の作業室には、裏側の駐車場から直接入ることもできます。
陶芸作りを体験!
今回は、「大人の陶芸体験」に挑戦!この体験では「ロクロ」「手びねり」「抹茶茶碗」があり、皿やカップ類を作ります。「ロクロ」はペダルを踏む電動ロクロのため、足を踏ん張ることが人や、体幹が弱い人には「手びねり」や「抹茶茶碗」をおすすめします。編集部員は「手びねり」でマグカップを作ることにしました!
最初は粘土を叩いたり、伸ばしたりして、長方形にしていきます。
形が整ったらマグカップの本体を長方形に、底となる部分を円形に型紙に沿って切り抜きます。
次は、型に切り抜いた長方形の粘土を巻きつけ、軽く馴染ませた後に円形に切り抜いた底部分を上から蓋をするようにしてくっつけます。
取っ手部分は、本体と同じく小さな長方形を作り、円形に型紙に沿って切り抜きます。
あとは、取っ手をつけたい位置に水を塗り、形づくってくっつけると完成です!
好きな色を選んで伝えておくと、「乾燥」「色づけ」「焼き」と残りの工程を行った作品が1か月ほどで自宅に宅配で届きます。
深大寺陶芸教室の馬場さんからのコメント
「作るって嬉しい」私共は作る喜びをお教えします。
粘土で作る事を障がいのある方、幼児、高齢者、これまで多くの方々に体験して頂いてきました。私共も御一緒する中で多くのことを教えて頂いています。
その経験を元に、当教室ではどなたにも作陶できるように、複雑な手順を単純な動作に分け、単純な動作を重ねて作陶する方法を考えて参りました。設備面ではエレベータ、誰でもトイレ、段差を無くす、階段に手すり等、少しずつ改良しています。
どなたにとっても作る事は楽しく嬉しいことです。一人一人の方に無理のない作陶をおすすめしますので、ぜひお問い合わせください。
施設情報
所在地:〒182-0011 東京都調布市深大寺北町1-19-1
TEL/FAX:042-483-6478
営業時間:10時から17時半(月火土日)、10時から20時半(木金)
定休日:詳しくは下記のHPよりご確認ください
アクセス:JR中央線「三鷹駅」下車、南口よりバスで15分「深大寺北町」バス停下車/
JR・京王井の頭線「吉祥寺駅」下車、公園口よりバスで約20分「深大寺北町」バス停下車/
京王線「調布駅」下車、北口よりバスで約15分「深大寺北町」バス停下車
「深大寺陶芸教室」HPはこちら(新しいウィンドウが開きます)
みなさんの中にも「陶芸を体験してみたい」という人もいらっしゃるのではないでしょうか。今回ご紹介した陶芸教室では、バリアフリー設計はもちろんですが、粘土加工の仕方を誰でも簡単にできるように工夫が施されていました。
粘土を叩く、伸ばす、くっつける、型取るなど、工程をできるだけ単純にしています。そのため、老若男女、障がいの有無を問わず楽しみながら陶芸作りができます。私は初めて体験したのですが、時間が経つにつれどんどん楽しくなり、無言になるほど集中していました。
今回は、日曜・祝日のみの開催で午前だけの「大人の陶芸体験」でしたが、時間がある人は午後まで体験できます。
取材後は、近くの公園を散策し、お蕎麦を食べて帰って来ました。まさに「芸術の秋」「食欲の秋」「行楽の秋」を同時に楽しむことができた一日でした。
気になった人は、ぜひ「深大寺陶芸教室」まで、お問い合わせしてみてはいかがでしょうか。