人とのつながりを大切に就労支援を行う「カラコネオフィス」

写真:カラコネの看板

以前に比べて「銭湯」へ行く機会が少なくなっているかと思います。
そうした中、下町で愛され続ける銭湯が、バリアフリーな福祉型銭湯へリニューアル!
お風呂の清掃業務を、就労継続支援事業所が行う新しいスタイルです。
今回は、就労継続支援事業所カラコネオフィスの取組みについてご紹介します。

カラコネオフィスとは?

写真:洗い場墨田区錦糸町駅から徒歩20分くらいの場所にある5階建ての建物が「御谷湯(みこくゆ)」です。
この近代的な建物の一室に、就労継続支援事業所カラコネオフィスがあります。
事業所の利用者は、主に精神・発達・知的障がいの方です。
明るい開放的なスペースのオフィスで、みなさんはいきいきと働いています。

新しいスタイルの就労継続支援B型サービス事業所

就労継続支援B型サービス事業所とは、すぐには企業で働くことが難しい障がいのある人が働ける場所です。
カラコネオフィスでは、お風呂の清掃に着目し、清掃業務を中心に就労支援を行っています。
毎週金曜日には、開店時の「お出迎えサービス」として接客を行い、一人ひとりに合った仕事を切り出しています。
地域の方と触れ合うことで、コミュニケーションを大切にしています。
経験豊かなジョブコーチ (注)がいるため、しっかりとサポートが受けられるところも特徴のひとつです。
(注)ジョブコーチとは 職場適応援助者のことで、職場に出向いて障がい特性を踏まえた直接的で専門的な支援を行い、障がい者の職場適応・定着を支援する。

御谷湯の福祉型銭湯の魅力をピックアップ!

4階と5階がお風呂場で、それぞれ雰囲気が違い、1週間ごとに男湯と女湯が入れ替わります。
どちらも和風モダンで、木の温もりを感じる造りです。

ポイント1

段差のないフラットな床でユニバーサルデザインを意識

写真:脱衣場のロッカー脱衣所からお風呂場の段差がなく、移動がスムーズ。
お風呂場の中もフラットです。
脱衣所のロッカーの表面には、手で触ってわかるよう漢数字が木彫りされています。

ポイント2

誰にでも使いやすいように多目的トイレ・エレベータを設置

写真:多目的トイレ多目的トイレが各フロアに設置され、中も広々としています。
エレベータが完備されているため、足腰の弱い高齢の方も安心して利用できます。

ポイント3

車いすの方でも安心して利用できる福祉型貸切風呂を完備

写真:福祉型家族風呂車いすを利用している方、身体の不自由な方など、一人でお風呂に入ることが 難しい方も付き添いの方と一緒に入れる貸切風呂です。
脱衣所からお風呂場まではもちろん、全面バリアフリー!

カラコネオフィス代表へインタビュー

聞き手銭湯の中に、就労継続支援事業所があるというのは珍しいスタイルだと思います。
お風呂の清掃に着目したきっかけを教えてください。

ボーンさんもともと御谷湯のオーナーが知的障がい者の支援をしていました。
私も「障がいのある方が地域を支える」をテーマに社会貢献をしていきたいと考えていたんです。
そこで障がい者自立支援法ができたとき、就労継続支援事業として、どのようなことができるかを 一緒に考え、お風呂の清掃であれば、知的障がい、精神障がいの方にも適しているのではないかと思いました。

聞き手適していると思ったのはどういうことでしょうか。

ボーンさん開店が午後3時半と決まっているので、それまでに仕事を終わらせないと開店できません。
自分でどうしたらいいかを考えるのでいいプレッシャーになります。
利用者の中には、決められたことをするのが得意という方もいるので、適正と言えるでしょう。

聞き手利用者の方へ配慮されていることはありますか?

ボーンさん配慮といいますか、職員の指示に従ってもらいますが、できれば自分たちで完結できるようになってほしいと考えています。
簡単な仕事ではないので、これができれば他の仕事でもできるという自信を持ってもらいたいです。
清掃を通して自分の可能性を広げてほしいですね。
それと、清掃だけではお客さんとの接点がないので、新しくお出迎えサービスを始めました。
お客さんと利用者の顔が見える関係で、交流を深めてもらっています。

聞き手就労支援をされている中で、印象的なことなどありますか?

ボーンさんB型事業所ですが、利用者の中に就労を目指している方がいます。
清掃を通して、社会貢献しているという意識を持つようになったと思います。
カラコネスタッフとしてではなく、御谷湯のスタッフとして接している姿を見ると 「成長したな」とうれしい気持ちでいっぱいになります。
これは、お出迎えすることでお客さんとの交流ができたことも大きいですね。
利用者それぞれが責任を持って、福祉施設に通っているだけではない意識が芽生えているんですよね。

聞き手今後の展望についてお聞かせください。

ボーンさん地域に住む高齢者のサポートをして社会貢献できたらと考えています。
墨田区には、高齢者や障がい者が日常生活でちょっとした困りごとがあったときに、地域の協力員が訪問して対応する「ミニサポート事業」というサービスがあります。
例えば、高齢者から電球を替えたい、家具を移動したいなどの申込みがあった場合です。
地域の町内会と協力してできないかなと考えています。
そして、一番の目標は利用者の工賃を上げることです。
お風呂の清掃作業だけではなく、近隣のビル清掃、スーパーの品出し、番台で接客など 色々と作業を増やして、可能性を広げたいと思っています。
これからも地域で暮らす一人ひとりを大切にできる場を作っていきたいです。

事業所情報

名称:特定非営利活動法人(NPO法人)カラフル・コネクターズ
所在地:〒130-0011東京都墨田区石原3-30-10 御谷湯ビル201
連絡先:TEL 03-6284-1787
    FAX 03-6284-1788
メール:colorful201561@gmail.com

「特定非営利活動法人カラフル・コネクターズ」についてはこちら(新しいウィンドウが開きます)

イラスト:編集後記

写真:ぬいぐるみの「あかなめ」銭湯の清掃業務を就労支援として行っているカラコネオフィス。
珍しい就労支援のスタイルではないでしょうか。
新たにお出迎えのサービスを行い、地域の方々と触れ合うことで、働くみなさんがいきいきとしている印象を受けました。
業務が終わった後に、お風呂に入ることもあるそうです。
こうしたアットホームな雰囲気が、働くみなさんのやる気につながっているのかもしれません。
また、お風呂は源泉かけ流しの温泉!
黒いお湯が特徴で、5階の半露天風呂からは、なんとスカイツリーを眺めることができます。
こうした地域で支え合うことで、障がい者への理解が広がり、 障がい者の働く場が増えていくとうれしいです。

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