日本は高齢化が進み、脚力が低下し介護を必要とする人が増えています。また、障がいがあって歩いたりすることが難しい人などいらっしゃるかと思います。
最近では、そんな方々を支援するロボット開発が注目されるようになりました。
そこで今回、CYBERDYNE(サイバーダイン)社が開発し製品化したロボットスーツ「HAL」をご紹介!
ロボットスーツの概要、特徴をお伝えします。
ロボットスーツ「HAL」の概要
世界初のサイボーグ型ロボット技術を下肢運動支援のために福祉用として製品化したものです。
人が身体を動かそうとしたとき、脳から筋肉に神経信号が伝わり、筋骨格系が動作します。
その際に生体電気信号が皮膚表面に現れます。
「ロボットスーツHAL福祉用」は装着者の皮膚表面に貼付けられたセンサでこの信号を読み取り、その信号を基にパワーユニットを制御して、装着者の筋肉の動きと一体的に関節を動かします。
筋力の弱った方や下肢に障がいのある方のトレーニングを補助するために全国の医療・介護施設などで活用されています。
【装着対象者】
立ち座りなどの身体動作に補助が必要な方
開発者からのコメント
「ロボットスーツHAL」の基礎研究が始まったのは今から20年以上前のことです。
その研究成果である「ロボットスーツHAL」の技術を広く世の中で使っていただけるよう、様々な分野の技術を融合複合した「サイバニクス」という学術領域を創設しました。
2004年にCYBERDYNE(サイバーダイン)株式会社を設立し、2010年、ついに本格的な「ロボットスーツHAL福祉用」のレンタルを開始しました。
今では全国200近い病院や介護施設などで「ロボットスーツHAL福祉用」が利用されています。プロフェッショナルユーザ(医療介護施設などの方)の皆さまからのご意見ご要望を集約し、よりよい製品を作るべくさらなる改良を加えて日々努力をしております。
また、個人用途を始め、様々な用途に適した「ロボットスーツHAL」を開発中ですので、今後の展開にご期待いただければと思っております。
それでは、ロボットスーツ「HAL」のポイントを見てみましょう。
動作をサポートするシステム
身体を動かそうとしたときに脳から筋肉に伝達される生体電気信号を基に動作を制御するサイバニック随意制御システムと、装着者の意図する動作を予測し、予めプログラムされた動作パターンにより制御するサイバニック自律制御システムが混在しています。
スムーズな動きの理由
サイバニック随意制御システムとサイバニック自律制御システムという2つの制御システムが混在したハイブリッド制御システムにより、思い通りでよりスムーズな動作補助を得ることができます。
体型に合わせてサイズ調整が可能
両脚型と単脚型の2タイプがあります。どちらのタイプもS、M、Lサイズがあり、大腿長、下腿長の長さなどを装着者に合わせて調節できます。専用PCのHALモニター画面で体重移動や生体電気信号等の装着者情報をリアルタイムに確認することができます。
(注)
『ROBOT SUIT』(ロボットスーツ)、『ROBOT SUIT HAL』(ロボットスーツHAL)、『HAL』(ハル)、『Hybrid Assistive Limb』は、日本国または外国におけるCYBERDYNE(株)の登録商標です。
運動能力が低下した高齢者や障がい者は、家に閉じこもりがちです。着替えや移動の際、どうしても家族や介護者の介助が必要になるからです。
今回ご紹介した、ロボットスーツ「HAL」は、装着して自分で動いてみようとすることで、介助者の負担軽減につながるのではないでしょうか。
現在は両脚型と単脚型が商品化されています。今後は上肢用の商品化やバッテリーの持続時間が伸びる事で屋外での利用も可能になることが待ちどおしいですね。
CYBERDYNE株式会社(サイバーダイン株式会社)
〒305-0818 茨城県つくば市学園南2丁目2番地1
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