4月に入り、新生活のために便利グッズを探している人も多いのではないでしょうか？
その中でも、特に障がいのある人にとって便利グッズは無くてはならない必需品です。そこで今回は、視覚障がい者がさまざまな場面で活用できる携帯型OCR（注1）マルチプレーヤー「SensePlayer（以下、センスプレーヤー）」をご紹介します。ぜひ、ご覧ください。

（注1）Optical Character Recognitionの略。カメラやスキャンで印刷物の活字や手書き文字などを画像データとして読み込み、それを解読してテキストデータに変換する技術です。ただし、文章のレイアウト状態、撮影環境によっては内容を正確に読み上げできない場合もあります。

「センスプレーヤー」とは？

センスプレーヤーとは、視覚障がい者の日常生活を音声でサポートしてくれる携帯型のプレーヤーです。
スマートフォン（以下、スマホ）のような形をしていて前面の上半分には、各メニューの切り替えボタン、矢印ボタン、OKボタンなどが全部で13個。下半分には数字ボタン、アスタリスクボタン、シャープボタンなどが全部で12個。また、背面にはOCR機能に対応したカメラが搭載されていて、活字を文字として認識できます。
側面には、電源ボタン、録音ボタンなどがついていて、そのほかにもマイクロSDカードの差込口やイヤホンジャック、type-CのUSB差込口などもあります。

製品仕様

サイズ：縦130㎜×横64㎜×厚さ14.5㎜×重さ140g
価格：99,800円（非課税）

マルチプレーヤーの便利なポイント

視覚障がい（全盲）の編集部員が実体験し、そこで感じたポイントは次のとおりです。

各種ファイルでの再生機能が充実！

音楽はもちろんですが、DAISY（注2）やドキュメントファイル、ポッドキャスト、ラジオなどの各種ファイルを再生できます。
また、内蔵のステレオマイクや外部ステレオマイクなどの録音機能もついているため、授業や会議などのメモ代わりに録音もできます。

（注2）Digital Accessible Information SYstemの略。視覚障がい者や活字などを読むことが困難な人々のため、録音図書サービスの国際標準規格として、50か国以上の会員団体で構成するデイジーコンソーシアムにより開発された「アクセシブルな情報システム」を表します。

活字文章をOCR機能で認識！

13メガピクセルの本体背面カメラでは、さまざまな活字をスキャンできます。
スキャンした活字を音声で読み上げできるため、文字の読み書きが困難な視覚障がい者や発達障がいの一種であるディスレクシア（注3）の人にも有効です。
また、付属品のOCRスタンドにセンスプレーヤーを取りつけて固定すると、手ブレを気にすることなくA4サイズまでの印刷物が楽に読み込めます。

（注3）脳機能の発達障がいで文字の読み書きが極端に遅い、よく間違えてしまうという特性があり、周りからは気づかれにくい学習障がいの一つです。

Wi-FiとBluetoothに接続するとさらに便利！

Wi-Fiに接続すると、DAISYオンライン、ポッドキャスト、ウェブラジオなどを楽しめます。
また、スマホやタブレット端末のBluetoothキーボートとして、タッチスクリーンデバイスを操作できます。
デバイスを予め設定しておけば瞬時に接続できるため、ストレスがかかりません。

視覚障がい（全盲）のある社員からのコメント

読書好きの私は、失明した当初からDAISYプレイヤーを活用しています。センスプレーヤーは、DAISY以外にもメディア・ラジオ・ポッドキャストの再生に対応しているため、1台持っているだけでさまざまな形式の録音図書・動画・音楽などを楽しめてとても便利です。
また、これまではスマホを取り出し、アプリを起動しなければ利用できなかったOCR・物体認識機能についてもより気軽に、より早く使うことができるようになったため、タイミングを逃すことなく活字などを読み取ることができるようになりました。
そのほかにもスマホと接続してキーボードとして使う機能、USBメモリやSDカードの内容を整理する機能など、多機能です。
スマホのタッチ画面操作に慣れない人、パソコンでのファイル管理が苦手な人にもお勧めできますし、日々とても助かっています。