いつの時代になっても楽しまれるファッション。
最近では、好きな映画やアニメのキャラクターに似せた着こなしをして見せる人もいるほど、ファッションは多様化しています。しかし、肢体に障がいのある人がファッションを楽しもうとした場合、そこにはさまざまなバリアがあります。
そこで今回は、車いすユーザの編集部員がファッションブランド「SOLIT!」のSHOWROOM に伺い、肢体に障がいがあっても着られるアイテムを試着してきました!ぜひご覧ください。
「SOLIT!」とは
ファッションブランド「SOLIT!」は、肢体に障がいのある人なども好きな服が着られるよう、服に1,000通りを超えるカスタマイズができます。
また、サステナビリティとインクルージョンを大事にしたままで社会問題を解決する理念を伝えるため、ファッションショーへの出場や展示会を開催しています。
ジャケットやシャツのボタンに工夫!
ボタンの裏側をマグネットにするカスタマイズがあり、マグネット式ボタンを近づけると、ボタンを留められるため、手にマヒがある人でも着脱が簡単にできます。
磁力の強さがほどよく、軽く動いた程度では外れません。
また、筋肉が力んで胸を張ってしまう人などに向けて、みぞおちの位置にマジックテープをつけるカスタマイズもできます。
縫い目の設計
体が力んで巻き肩になってしまう人や、車いすユーザが着やすく動きやすいよう縫い目に工夫が施されています。
また、肩の動きに制限がある人などに配慮して、脇の部分にマチがあり、この工夫だけで「着るときにワンサイズ上の服を着ているようなゆとり」を感じることができます。
車いすユーザが助かる袖汚れ防止機能
ジャケットの袖は2重構造にするカスタマイズがあり、その内側の部分をリブ型にできます。
これを使って袖を上げることで、車いすユーザにありがちな、タイヤと袖が擦れるのを防いでくれます。
また、シャツの袖は、ポイント1のボタンをマグネット仕様にできる他、カフスをゴムで留める仕様にできます。
「SOLIT!」ご担当者からのコメント
「SOLIT!」は障がいの有無や、セクシュアリティ、信仰、体型の違いなどに関係なく誰でも自分の好みに合わせて「自分で選ぶ」ことのできる仕組みが欲しくて作りました。
着たいという思いと、着られるという実現可能性がどこか離れていってしまうファッションデザインが多いので、いかにデザイン性を落とすことなくそれらを同時に実現できるだろう?と、デザイナーと医療福祉従事者や課題を感じたことのある当事者みんなで開発しました!
今回は、赤坂のSHOWROOMに参加してきました。障がいを理由に着る服が限られるという場面は、肢体に障がいがある人の多くに経験があると思います。そんな中、「SOLIT!」は幅広いパターンのカスタマイズができるため、「自分はどの服にどの工夫をすれば着られるかな」というような試行錯誤を楽しめました。
障がい歴が長いほど、試着のときに「これもダメかな…」という考えが先行して服を選びがちではないでしょうか?しかし、そんな不安を払拭できたなら「どうやって着ようかな!」とポジティブに考えられるはずです。
「SOLIT!」では、ランウェイの参加や展示会を定期的に開催しています。気になる人は、ぜひ上のリンクから調べてみてはいかがでしょうか。