富士通「発達障がい児童のためのセンサリールームでのスポーツ観戦」の取り組みで社会をポジティブに!

みなさんの中には、子供のころスポーツ観戦に出かけたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。きっと目の前の試合に熱狂し、選手やそのプレーに憧れたことでしょう。
その一方で、音や光を強く不快に感じることで、スポーツ観戦が困難な子供もいます。今回は、発達障がいの子供とその家族がスポーツ観戦を楽しむことができる、富士通株式会社(以下、富士通)の取り組み「発達障がい児童のためのセンサリールーム観戦」について、富士通企業スポーツ推進室の白鳥さん、武藤さん、今井さんにお話を伺いました。ぜひご覧ください。

写真:富士通のロゴの前での写真に左から白石さん、武藤さん、今井さん

「発達障がい児童のためのセンサリールーム観戦」とは?

取り組みを行ったことで起きた気持ちの変化

写真:白鳥さん白鳥さん:富士通の「発達障がい児童のためのセンサリールーム観戦」は、発達障がいや感覚過敏のあるお子さんやそのご家族が安心してスポーツ観戦を楽しめるよう、試合会場に強い光や音を遮断する「センサリールーム」を設置しています。
きっかけは、2017年に川崎市で開催された発達障がいをテーマにした、心のバリアフリーシンポジウムです。ANA、JTB、川崎市と連携して環境作りを進め、2019年に国内で初めてサッカー観戦で設置を実現し、2022年からは弊社独自に、アメリカンフットボールやバスケットボールでも導入しています。

センサリールームの場所は会場によって異なりますが、主にVIPルーム等、大きな窓から試合を観戦できる部屋で、感覚刺激玩具を設置するなど、子供たちが飽きずに過ごせる空間を作っています。VIPルームがない場合は、一角をパーテーションなどで区切り、静かでまぶしくない空間を用意しています。招待するのは10名程です。

写真:武藤さん武藤さん:発達障がいのある人は混雑していることがストレスになるので、今までの経験上10名程がベストと判断しています。たくさん受け入れたい気持ちはあるのですが、あまり混雑させて嫌な思いをさせたくないので、試行錯誤しながらやっています。

2枚の写真:左がセンサリールームに置いてある触覚、音などを楽しめるおもちゃ10種類以上。右が窓越しにバスケットボールを観戦できるセンサリールーム内

白鳥さん:発達障がいについて学ぶため、勉強会や感覚過敏を疑似体験できるVR動画を製作しました。(注1)これにより、スタッフも配慮の仕方を理解できたと思います。
私自身も、今まで発達障がい児と関わる経験がなかったので、疑似体験で当事者の感じ方を知れて、自分ごととして捉えることができました。

写真:今井さん今井さん:企画を通じて理解を深め、参加者と触れ合うことで、配慮の重要性を再認識しました。大人になって障がいのある方と関わることはあまりなかったので、その重要性を強く感じました。

武藤さん:センサリールームは、参加者10人の中に子供が3~4人いる環境で、一人ひとりと向き合っていくことを大事にしています。カテゴライズして「発達障がい児だからこうだ」ということではなく、一人ひとりと対話する中でやっていくことが重要だと、ここ数年の活動を通して感じるようになりました。

白鳥さん: 初回の開催時には、専門家の監修や当事者家族の意見を聞きながら開催しました。観戦募集時には、事前に配慮事項を記載いただき、柔軟に対応できるように準備しています。
参加されたご家族からいただいた「子供とのスポーツ観戦は一生叶わないと思っていましたが、叶えていただき感謝しております」というコメントが心に残っています。現状では、子供だけでなくご家族も外出の機会を失っている中で、センサリールームの取り組みでご家族全員が安心してスポーツ観戦を楽しむ機会を提供できたのかなと思い嬉しい気持ちになりました。

写真:大きなガラス窓があるアメリカンフットボールを観戦するセンサリールーム内に12人いる。

2023年にキッズデザイン賞・IAUD国際デザイン賞を受賞(注2)(注3)

当時の気持ちや受賞につながった工夫点

白鳥さん:受賞したときは、素直に嬉しかったです。事例が少ない中で実施をしてきましたので、受賞したことで少しでも世の中に認められた思いになりました。

今井さん:多くの人に知ってもらうことができて良かったです。受賞を知ったことで、他チームや他団体がこのセンサリールームや障がいに対する取り組みから影響を受け、障がいに対する取り組みがさらに発展してほしいです。

武藤さん:受賞そのものも嬉しいですが、最近はそのニュースを見て、他メディアから取材の申し出を頂くことが増え、広まりを実感しています。センサリールームという言葉も知られるようになり、社会が同じ方向を向いていることを実感しています。

白鳥さん:評価された点としては、まず、地道に続けている継続性が評価されたのだと思います。次に、子供とそのご家族が安心して安全にスポーツ観戦ができる空間が評価されたのではないでしょうか。
発達障がい児の特性に配慮し、「観戦のしおり」を事前に配布し、当日のスケジュールや順路、センサリールーム内や出入りする人の顔写真を載せたことで、事前に不安を取り除き、安心感を与えられたのだと思います。
また、絵と文字で紙を張り、音声理解や識字が苦手な子供でも安全に観戦できる環境を整えました。

(注2):子供の安全・安心、健やかな成長を促進するデザインを表彰する賞

(注3):国際ユニヴァーサルデザイン協議会(IAUD)が、誰もが利用しやすいデザインを評価するために授与する賞

写真:インタビュー風景。左手前から奥に向かって白鳥さん、武藤さん、今井さん。右手側にインタビューアー

社会をもっとポジティブに

今後も富士通スポーツの取り組みに注目!

白鳥さん:今後もリーグとの連携や、他競技への導入も促進していきたいです。成功事例を重ね、人材面の課題に関しても関係各所と協力し、持続可能な運営の仕組みを作っていきたいです。
そして、スポーツを通してより多くの人がポジティブな気持ちになれるように、これからもさまざまな施策を検討し、インクルーシブな社会の実現を目指していきたいです。

今井さん:スポーツを通して子供たちに経験や機会を与えることで、次の行動が変わってくれたら良いなという想いで企画をしています。社会にポジティブな影響を与える機会を常に考え企画をしていますので、もし一緒にできる部分がありましたら、タッグを組んで、一緒にポジティブな世の中を作っていきましょう。

武藤さん:弊社では他にも障がいや、何かの事情でスポーツ観戦は難しいと思っている方々を、さまざまなアプローチでサポートしています。それが日常として定着し、社会全体がより元気に、ポジティブになる循環を作るために小さな一歩を積み重ねていきたいと思っています。
企業や競技の壁を越えて社会を元気にすることを一緒にやっていきましょう。
記事をご覧になった方が富士通スポーツの取り組みに注目していただけると嬉しいです。

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