世界の福祉機器が一堂に!第43回国際福祉機器展

アジア最大規模となる「第43回国際福祉機器展」が、10月12日(水)から14日(金)まで東京ビッグサイトで開催されました。
17か国から約530社の企業・団体が、ハンドメイドの自助具から最先端技術の介護ロボットなどの福祉機器を展示。連日大盛況で、3日間で合計約11万3千人が訪れたようです!
編集部員が取材しましたので、その模様をお伝えします。

写真:国際福祉機器展の看板

第43回国際福祉機器展

会期 : 10月12日(水)から10月14日(金)
場所 : 東京ビッグサイト
出展社: 約530社
主催 : 全国社会福祉協議会 保健福祉広報協会

【福祉機器開発最前線】の展示から

毎回大きな反響を見せる『福祉機器開発最前線』では、経済産業省のロボット介護機器開発・導入促進事業や厚生労働省の障害者自立支援機器等開発促進事業の対象製品を含む合計10点が展示され、デモンストレーションが行われました。
その中で感じたことは、高齢化社会を見据えた介護製品が多かったということです。
施設などで利用する「見守りシステム」や介護士などの職員が情報を共有するものなどが多く、支援者をサポートする製品が増えていると思いました。
もちろん、高齢者や障がい当事者向けの製品もあります。
テレビなどでも紹介されることの多いコミュニケーションロボット「Pepper」は、施設や一人暮らしの高齢者などのコミュニケーションツールとして活用されています。

主な展示製品

写真:健康王国のテレビ画面とpepper 製品名:「健康王国レク for Pepper」
「健康王国レク for Pepper」はPepperが高齢者向け音楽療養コンテンツ「健康王国」に合わせて、体操・運動などのレクリエーションを楽しく進行してくれるアプリケーションです。

製品名:「知的障害のある方の就労支援ソフト『だれでもワークプロ』」
『だれでもワークプロ』は、知的障がい者の授産施設や就労場所などの仕事に活用できる、iPad 専用のワークマニュアル作成・閲覧ソフトです。

編集部員が注目した製品から

写真:コミュニケーションロボット(オハナス、ハロー!ズーマー、しゃべくりハッピーとラッキー)取材した中から、これぞという製品をいくつかピックアップしました。
特に、コミュニケーションロボットは展示数も多く、各企業で、力を入れていると感じました。

写真:コミュニケーションロボット(チャピット) それら、子どもから高齢者向け製品のほとんどに工夫や改善がされています。例えば、子ども向けには、簡単に電池交換ができないようにドライバーを使用するなど利用者やその周辺の意見が反映されていると感じました。

また、介護施設で介護士の負担を軽減する移乗器具、外出したことなど感知する見守りシステムや介護士の代わりに体操のレッスンを行うロボットなど介護する方々に役立つ製品も多かったです。
写真:移乗器具、コミュニケーションロボット(パルロ)、メディエーターロボット(ロボピン)の写真

なるほどと思ったのが、補聴器です。
写真:カラフルな色の補聴器(大と小) 従来、補聴器は目立たないように小さく肌に近い色になっていましたが、最近ではカラフルでおしゃれなものや、介助者がつけやすいようにと大きめのものも増えているそうです。

写真:脊髄損傷者が「ReWalk」をつけて歩行している様子 その他、印象的だったのは、下肢用リハビリ器具の「ReWalk」。
脊髄損傷者が歩行できるというアシスト器具です。障がいの程度で差が出たり、機器を使う練習が必要ではありますが、「歩く」ことができるようになる製品です。

写真:カラフルな車いす「ヨシズカ様」のKAL01など車いす関連器具は、さらに軽量化され、かつカラーバリエーションも増えて、オシャレを意識しているものが並んでいました。

写真:燃料電池搭載電動車いす(開発品)の様子 その他、車いすでは、充電する必要がないため災害時にも役立つ「水素電池」を使った電動車いすや、セグウェイの技術を基に開発された次世代の電動車いす「VIA=ビア」などが展示されていました。

写真:栄養補給 また、介護用フードとして、栄養補給が簡単にできるドリンクが多かったです。高齢の方は、食が細くなりがちなので、飲みやすいドリンクでタンパク質やビタミンを摂取できるように工夫されていました。
こちらは、高齢の方だけでなく、一般の人にも朝食代わりに手軽に摂取できるようドラッグストアでも販売されています。

写真:手の動きをサポートする「iEAT」 また、手先の不自由な方や手が震えてうまくスプーンを使えない方向けの補助器具など、自力で食事ができるよう、アシストする器具などもありました。

写真:抜き絵アート そして、抜き絵アートは、はさみを使わずに作成できるので安全・安心な製品です。このレクキットは、カラフルできれいなばかりでなく、大小さまざまな形のパーツを抜いていくので、指先運動のリハビリにも役立つものです。

取材を終えて

アジア最大規模の展示会ということで、大勢の方で賑わっていました。
高齢化が進んでいることもあり、高齢者に関連した機器が多いと感じました。
特に印象に残ったのは、コミュニケーションロボットです。様々なメーカーがこの分野に取組んでいました。
また、高齢者を介護するにあたり介助者の負担を軽減するさまざまな機器やサービスが紹介されていました。
高齢者にとって便利な機器は、障がいのある人にも便利です。
この展示会で、多様な機器に直接触れ、担当者などに使い勝手を伝え、さらなる改良が進み、より利便性の高い製品が生み出されることを期待します。

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