3.精神疾患者・精神障がい者のスポーツ振興

2013年06月11日掲載

日本国内における推進

精神疾患者・精神障がい者のスポーツが広く全国展開されたのは、2000年以降のことである。2001年よりバレーボールの全国大会が開催され、2008年に全国障がい者スポーツ大会(以下、全スポ)にバレーボールが正式種目となった。同じく全国的な動きがみられる種目はフットサルであり、2007年より国内大会が開催され、2013年の全スポ(東京開催)にてエキシビションマッチが行われる。

特にサッカーは、組織的な動きも見られ、2013年2月に精神疾患者・精神障がい者の方を中心とする「日本ソーシャルフットボール協会」が設立された。こうした種目に特化した国内統括競技団体の発足は、世界に例を見ない先駆的な取り組みである。また2011年には、大阪のチームがモデルケースとしてイタリアへの遠征を果たしている(注)。なお、2013年6月現在、国内には約100ものフットサルチームがあると推定され、それ以外にもバレーボール、サッカー、バスケットボール、卓球などが実施され、世界ではゲーム性のあるスポーツではサッカー、その他、グランドゴルフ、自転車、散歩が広く推進されている。

精神疾患者・精神障がい者のスポーツの国際化に向けて

とはいえ、身体障がいや知的障がいのように国際大会は開催されておらず、また精神疾患者・精神障がい者を対象とした国際統括競技団体も存在しない。そこで、2013年10月5日、精神疾患者・精神障がい者スポーツの国際ネットワークの構築と国際大会開催に向け、世界初の国際シンポジウムを日本で開催する。

日本では、全スポに身体障がい・知的障がい・精神障がいの競技種目が開催されるなど3障がいとして展開されている。一方国外では、ドイツを除き、身体障がいや知的障がいとは別の組織やシステムで発展し、加えて精神疾患・精神障がい者のスポーツはヘルスプロモーションの一環として推進される傾向にある。

このように国際的に様々な動きはみられるが、共通していえることは精神疾患者・精神障がい者の「スポーツ」の発展は国内外でもここ10年から20年である。2013年10月に日本で開催される国際シンポジウムを機に、世界に精神疾患者・精神障がい者のスポーツのネットワークが広まることが期待されている。

写真:イタリア遠征時の現地チームと試合の模様 写真:日本チームとイタリアチームが挨拶の交わしている模様

2011年イタリアへ遠征

(注)参考文献:SCAMBIO精神障がい者フットサル情報
http://scambio.exblog.jp/14608025/

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