2011年05月30日掲載
3月11日に発生した「東日本大震災」以降、災害に対する意識が高まりつつあります。みなさんは、日ごろから防災について考え、準備などされていますでしょうか? 障がいのある人の中には、どんなことをしたらいいかわからないという方も多いかもしれません。
そこで今回は「ゆうゆうゆう」独自で災害に備えて確認しておきたいことをまとめてみました。 ぜひ、参考にしてみてはいかがでしょう?
災害が起こったとき、障がいのある方は、ひとりで避難する情報を得たりすることは大変困難になります。
視覚に障がいのある人や車いすを利用している人は移動すること自体が、聴覚に障がいのある人は音からの情報を得ることが難しいです。
そこで、家族や地域の福祉課で自分の担当になっているケースワーカーの方と一緒に、どんなことが必要かを事前にいくつか確認しておきましょう。
避難・予想される災害について
お住まいの地域で指定されている避難場所、予想される災害時の避難経路を知っておくことが必要です。
各自治体には防災マップが用意されています。 洪水においては冠水しにくい場所、地震においてはブロック塀などのような障害物がない場所を予想して、避難所までの移動経路を確認しておくことをおすすめします。
また、家から外への避難経路も重要です。 停電でエレベーター・昇降機が動かないことを想定し、非常階段の確認、非常電源の使用や手動での使用などを考えておきます。
- 事前に地域の自治会やケースワーカーの方へ、災害において避難時の介助について丁寧に依頼しておきます。
- 視覚に障がいのある方や車いすの方は事前に支援者と一緒に避難場所への移動経路(あるいは避難経路)を確認しておくことをおすすめします。
- 国が地域の防災マップを一括管理しインターネットで公開しているので、一度確認してみてはいかがでしょうか。
医療について
災害時の病院は大変な混雑が予想されます。
災害によっては病院自体が使えなくなり、停電や水没があると長期にわたり医療機器が使えなくなります。
第二候補、第三候補の医療機関、また、医療機関への連絡方法を主治医と相談して事前に決めておくといいですね。
- 必要最低限の薬について主治医と相談しておきます。
- 災害で数日治療が出来ないことで命に関わることが想定されるときは、主治医と事前に対策を考えましょう。
- 非常持ち出し品の中に、手に入りにくい障がい別の医療用器具や薬の予備・薬のリストを入れておくことが必要です。
非常持ち出し品の準備
一般的な非常持ち出し品のほか、障がい別の必需品、防災カードを作成して入れておきます。非常持ち出し袋は10から15kgが目安です。
例:非常持ち出し品
飲料水(500mlペット4本)、乾パン(3日分)、タオル、下着、レインコート、スリッパ、カイロ、懐中電灯、笛、ラジオ、筆記用具、マスク、軍手、ライター、乾電池
貴重品とそれぞれのコピー
現金・小銭、障害者手帳、免許証、保険証、通帳
障がい別の必需品
聴覚障がい | 補聴器、予備電池、携帯電話(ビニール袋にいれ水対策) |
視覚障がい | 白杖、ルーペ、めがね |
肢体・内部障がい | 排泄用具、ストーマ装具、洗浄一式 |
防災カードの作成
援助や、救助を求めやすくするために名前や住所、使っている薬などをカードに書き込み避難所で提示できるように作成します。
防災カード(例)
項目 | 内容 |
---|---|
名前 | ○○ ○○ |
住所 | 東京都武蔵野市緑町○-×-△ |
電話番号 | 012-345-6789 |
緊急連絡先 | 987-654-3210 |
生年月日 | 2005年4月1日 |
血液型 | ○型 |
障がい名 | 視覚障がい |
障害者手帳 | 東京都第○○○○号 |
保険証の番号 | △△△△△△ |
かかりつけの病院 | ×××××病院 |
病院住所 | 東京都三鷹市○○町×× |
担当医 | ゆう 優太郎 |
障がい当事者からのコメント
家族と日ごろから防災について話し合っておくことが一番の備えになると感じます。
3月11日に発生した「東日本大震災」では懐中電灯やラジオと携帯充電が一体になった「非常用ダイナモ」が大変役立ったのではないかと思います。
私は、車に非常持出し品と消毒液カテーテルなどの医薬品を常備しています。
しかし、津波で車が流されていく状況をみて、いつも移動で使っていて身近にあるとしても、洪水などで流されてしまう、水没してしまう危険までは考えられませんでした。
今後は、ビニール袋にくるむなどの防水を考え、車の中に準備するだけでなく、家の中など複数の場所に用意しようと思います。