2014年02月25日掲載
今回は、楽天株式会社の特例子会社「楽天ソシオビジネス」をご紹介します。
障がいのある方が活躍できる場を提供し、社会に貢献できる企業として成長する取組みを行っています。
ぜひ、ご覧ください。
「楽天ソシオビジネス」とは
楽天ソシオビジネスとは、楽天株式会社の特例子会社です。
楽天市場をはじめ、グループ会社からのアウトソーシング業務を行っています。
主な業務内容
- クリエイティブ制作
Web制作・グラフィックデザイン関連業務 - データ処理
メルマガ制作や企画運営サポート等のオフィスワーク、マーケティングやソリューションの提案・開発関連業務 - 業務サポート
人事、総務、経理、採用などの一般事務。各種窓口対応や書類の仕分け、管理、チェック、データ入力業務 - 印刷サービス
企画・制作・デザイン、DTP印刷・外注手配代行・コピー出力業務
楽天ソシオビジネスについてインタビュー
取締役の川島様、統括管理部リーダーの山岸様から、障がい者に対する配慮や工夫、今後の展望などをうかがいました。
Q: 特例子会社設立の経緯を教えてください。
A:
プロ野球の「東北楽天ゴールデンイーグルス」が仙台にあります。
球団を設立するとき、「障がい者雇用準備室」というものを立ち上げました。
特例子会社を創るのなら、ぜひ仙台でというお話があったことがきっかけです。
規模は、東京の方がだいぶ大きいですけれど、実は、仙台の特例子会社です。
Q: 障がいのある社員への配慮や工夫について教えてください。様々な障がいのある社員が働いていますが、特に精神障がい者の対応は難しいと聞きますが、いかがでしょう?
A:
精神障がい者について、就労支援機関、本人、会社と3者で連携するようにしています。
本人たちが、会社で本音を話すことがなかなか難しいので、就労支援機関に行って、カウンセリングをしていただいています。
それを私たちにフィードバックしていただくようにしています。何かあれば私たちの方からも、就労支援機関の方にご連絡を入れさせていただいています。
また、ジョブコーチと相談員が社内に複数いますので、対応してもらうこともあります。
Q: 全体的に、聴覚障がい者が多いようですね。コミュニケーション方法とかどうされていますか?
A:
社内でメッセンジャーを利用して会話するようにしています。
時間も拘束されないし、お互いにうまくコミュニケーションが図れているようです。それと、聴覚障がいのあるマネージャーが一人いて、口話を使って普通に会話ができます。
私たちが話したことを手話で伝えていただいたりなどしています。朝礼のときに、聴覚障がい社員主導で週2回、手話講座などを行って工夫しています。
Q: オフィス内の設備はいかがでしょう?
A: オフィスは全部バリアフリーです。通路は、他のフロアより広めにとって、移動しやすいよう工夫しています。弊社には、1フロア全体が広々としているレストランや喫茶店があり、富士山を眺めながら、ゆっくり楽しむことができます。視覚に障がいのある社員は、スタッフがアテンドしますし、バリアフリーなので車いすでもスムーズに移動できて安心です。
Q: 業務を行う中で苦労していること、印象に残っていることはございますか?
A:
私たちも経験がないということもあり、コミュニケーションの取り方はすごく悩みましたね。特に、聴覚障がいのある社員について、「音がない世界」というのは、私たちにはわからないことです。
伝えたいことをうまく伝えられないということがよくありました。今は、わからないことはわからないと言うようにして、素直に伝えることにしています。
Q: 最後に今後の展望について教えてください。
A:
私たちは特例子会社だからとかそういう考え方は特別なくて、一つの企業だと思っています。
実は、特別にこれという配慮というのはあまりしていません。逆に、障がい者の方たちが配慮というものを好まないんです。
みなさん主体的に自分たちが活躍していきたいと思われている方々が多いです。
障がい者を一つのフロアに集めて、一つの会社としているのは、障がい者であっても、やりがいを持った仕事をしながら成長していくことができ、また活躍し続けていくことができると思っています。
その企業を成長させていき、やりがいを持ち得るような仕事を増やしていきたいです。障がい者をたくさん雇用することでそれが、雇用率のアップにつながったり、会社の利益というものにつながっていけばいいなと思っています。
社会貢献として障がい者を雇用するのではなく、障がい者が活躍できるということを社会に広げていきたいと思っています。
障がい者が自主的に働いている企業のお手本となるように頑張っていきたいです。