2017年10月17日掲載
2017年夏、東京「LUMINE 0 NEWoMan新宿」で聞こえない世界での対話を楽しむエンターテイメント「ダイアログ・イン・サイレンス」が日本で初開催されました。
テレビ、SNSなどで取り上げられ、話題となったのでご存じの方もいらっしゃるかと思います。しかし、「聞こえない世界での対話って?」「どうやって話をするの?」と疑問に思うのではないでしょうか。
そこで、ゆうゆうゆう編集部員が、その聞こえない世界での対話を体験してきました!その内容を2回にわたってご紹介します。
まず、1回目は「ダイアログ・イン・サイレンス」の概要です。
ぜひ、ご覧ください。
ダイアログ・シリーズはドイツが発祥
1988年、ドイツで見えない世界で対話を楽しむ「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」が開催され、1998年に聞こえない世界で対話を楽しむエンターテイメント「ダイアログ・イン・サイレンス」が開催されました。どちらもドイツのアンドレ・ハイネッケ氏が発案者です。
そして日本でも、1999年に「ダイアログ・イン・ザ・ダーク」が初開催され、それ以降東京外苑前と大阪「対話の家」を中心に開催され、これまでに約20万人以上が体験しています。現在東京外苑前会場はクローズされましたが、2017年9月から東京浅草橋を新たな拠点として、「Tokyo Diversity Lab.」を開設しました。ここでは、企業・団体向けのビジネスワークショップを中心にしながら、アテンドの豊かな感性を活かした商品・サービス開発や、ダーク、サイレンス、ダイアログ・ウィズ・タイムも合わせた対話型ミュージアム・Museum of Diversity and Inclusion 開催準備室をオープンし、活動しています。
ダイアログ・イン・サイレンスとは?
事前に研修を受けた聴覚障がい者が案内役を務め、参加者に写真やイラスト、模型などを活用して、身振り手振りや豊かな表情を使って、言葉の壁を超えた対話を楽しむ体験型ワークショップです。
「ダイアログ・イン・サイレンス」は1998年の開催以降、フランス、イスラエル、メキシコ、トルコ、中国などで開催され、世界中で約100万人が体験しています。
日本では、2017年8月1日から20日までの期間限定で開催され、約3,500人が参加しました。
「ダイアログ・イン・サイレンス」の体験内容
体験は、1グループ12人で行い、時間は約90分です。体験を案内するのが「アテンド」と呼ばれる音に頼らずに対話をする聴覚障がい者。
まず参加者は、「これからは声を出さないコミュニケーションを!」と促され、音を遮断するヘッドセットを着用します。
6つの部屋があり、それぞれの部屋に入り、アテンドの案内でさまざまな課題に挑戦します。
1.ようこそ静寂の世界へ
手や指の形をアテンドが示して、参加者がそれを読み取り、ジェスチャーで答えます。
2.手のダンス
影絵を作って、みんなで楽しみます。
徐々に手や指の形が難しくなってきます。
そして後半は、みんなで大きな影絵を作ります。
3.顔のギャラリー
グループで円になり、枠の中に顔を入れて、みんなの顔が見えます。
眉を動かしたり、鼻を動かしたりとアテンドがジェスチャーで示し、参加者は、それを見て表情を真似したりと、顔の表情だけで対話をします。
4.サインで遊ぶ
紙に書いてあることをアテンドが指でさしながら、その内容を参加者にジェスチャーなどで表現してもらいます。
5.形と手の部屋
4人1組になり、箱の中にある小物や食べ物の模型などを一方が、ジェスチャーでもう一方に伝えます。
みんなは、それが何なのかをジェスチャーを読み取り、その物が何かを当てるゲームをします。
6.対話の部屋
ヘッドセットを外して、手話通訳が入り、これまでの体験を参加者でグループディスカッションします。
参加者数名が、アテンドに日常生活で困ることなどを質問し、アテンドがそれに答えます。
問い合わせ先
「ダイアログ・イン・サイレンス」についてはこちら(新しいウィンドウが開きます)
次回は、「ダイアログ・イン・サイレンス」を体験してきたゆうゆうゆう編集部員(4名)が障がい当事者の視点から感じたことをレポートします。お楽しみに!