2017年12月05日掲載
読者の皆さんは、「ボッチャ」というスポーツをご存じでしょうか?
昨年開催されたリオデジャネイロパラリンピックで日本代表が銀メダルを獲得し、脚光を浴びた競技です。
今回、11月18日(土)19日(日)に東京都にある武蔵野市総合体育館で、東日本大震災復興支援IPC公認2017ジャパンパラボッチャ競技大会とボッチャの体験会が開催されました。
そこで、「ゆうゆうゆう」編集部員が観戦・体験をしてきましたので、試合模様と体験レポートをお届けします。
ぜひ、ご覧ください。
ボッチャとは
ボッチャは、ヨーロッパ生まれで1984年からパラリンピックの正式競技として行われています。
カーリングやボーリング、ビリヤードなどの要素を取り入れたルールで、知的な戦略とそれを実行するための技術力、集中力が観る人を魅了するスポーツです。
【ボッチャのルール】
ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールに、赤・青のそれぞれ6球ずつボールを投げたり、転がしたり、他のボールに当てたりして、いかに近づけるかを競います。
下記表のルール1~5の順で競技が行われ、この一連の流れを1エンドとし、個人戦とペア戦は4エンド、チーム戦は6エンド行います。
ボッチャのルール | 1 | 両選手が6個ずつのボールを使用します。(赤と青) |
---|---|
2 | 先攻側が的となるジャックボールを投げ、続いて1投目の投球をします。 |
3 | 後攻側が最初の投球をします。 |
4 | ジャックボールから遠い位置にボールを投げた側の選手が次の投球を行います。 |
5 | 赤と青ともに6球ずつ投げ終えた時点で得点を計算します。 |
【クラス分け】
障がいの程度や種類によって以下に記載されている4つのクラスに分かれ順位を競います。
クラスによって投球の方法や競技アシスタントの有無が変わってきます。
クラス | 対象 | 投球 | アシスタント |
---|---|---|---|
BC1 | 脳原性疾患 | 足蹴りも可 | ○ |
BC2 | 脳原性疾患 | 可 | × |
BC3 | 脳原性疾患/非脳原性疾患 | 不可で勾配具(注)を使用 | ○ | BC4 | 非脳原性疾患 | 可 | 足蹴りの選手のみ |
滑り台のような投球補助具を用いて、「競技アシスタント」のサポートを受けてボールを転がします。
【競技アシスタント】
競技アシスタントはコートに背を向けて座ります。
選手から指示を受け、ランプの角度や長さ、方向を調整します。
試合中、振り返って投球の行方などを見ることはできません。
また、競技アシスタントが選手にアドバイスをしたり、合図を送ったりすることも禁止されています。
【ボールの特性と種類】
使用するボールは大きさと重さが決まっています。
周長が270mm±8mm以内、重さは275g±12g以内となっています。
同じボールでも色が微妙に違っていたり、硬さや材質が違っていたりすることがあります。
- 天然革製…ボールに凹凸が少なく、まっすぐ転がりやすい
- フェルト製…表面が毛羽立っていて滑りやすく、主に相手のボールを弾く時に使う
- 人口革製…表面がしっとりしていて滑りにくいので、ボールの上にボールを乗せたい時に使う
ボールにはそれぞれ特性があります。選手は自分の障がいに合ったボールを使います。
詳しくは「一般社団法人日本ボッチャ協会」ホームページをご覧ください。(新しいウィンドウが開きます)
東日本大震災復興支援IPC公認2017ジャパンパラボッチャ競技大会
今大会日本の対戦相手は、リオデジャネイロパラリンピックで世界一を賭けて戦ったタイとヨーロッパの古豪イギリスとの戦いでした。
両チームとも、いかに得点に結びつく白いボール(ジャックボール)に近づけるか…お互い一歩も譲らない白熱した攻防が続きます。
「ピタリ」とジャックボールに寄せる集中力や相手のボールを弾いて自分たちが有利なコースを作り出す技術に会場はとても盛り上がりました。
対戦結果は以下の通りです。
1日目 | ||
---|---|---|
クラス | 対戦国 | 結果 |
ペアBC4 | タイvs日本 | 8-1 |
ペアBC3 | イギリスvs日本 | 4-3 |
チームBC1-2 | タイvs日本 | 7-2 |
2日目 | ||
---|---|---|
クラス | 対戦国 | 結果 |
ペアBC4 | タイvs日本 | 8-1 |
ペアBC3 | イギリスvs日本 | 4-0 |
チームBC1-2 | タイvs日本 | 5-5(延長:0-2) |
ゆうゆうゆう編集部員がボッチャを体験!
試合会場の別ブースにてボッチャを体験することができたので参加してきました。
試合では、ボールを簡単に投げているように感じたのですが、想像以上に難しく、思うようにジャックボールに近づけることができませんでした。
「見ているのと、実際にボールを転がすのとでは大違い!」
しかも、目標となるジャックボールは自分で投げたにもかかわらずです。
同じように投げたのに…。腕の振り方、力加減によってボールの軌道はこうも違うのかと思い知らされました。
大会の選手は、目標のボールに「ピタリ」と寄せてきます。
どれほど高度な技なのかがよくわかった体験会となりました。
その後の試合は、さらにボッチャの奥深さを感じながら楽しめました。
いかがだったでしょうか。
2020東京パラリンピックに向けて注目を集めているパラスポーツ。
最近では読者の皆さんがお住まいのスポーツ施設などで体験できるところが増えてきています。
ボッチャは、障がいの有無に関わらず誰もが楽しめるスポーツでもあります。
2020年に向け、さらなる普及活動を行い、多くの方に知っていただければうれしいです。
また、パラスポーツ関連では、以前「ゆうゆうゆう」でご紹介した東京都北区のスポーツ施設で、「車いすフェンシング教室」も随時開催しています。興味のある方は訪れてみてはいかがでしょう。
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みんなで2020オリンピック・パラリンピックを盛り上げていきましょう!