2018年05月29日掲載
先日、弊社クラルティ社員が出場した「ロンドンマラソン2018ワールドパラアスレチックスマラソンワールドカップ」。ゆうゆうゆう編集部員も応援のため、ロンドンへ行ってきました。
そこで、ロンドンの街中を移動していて感じた「バリアフリー状況」についてご紹介いたします!
夏休みなどの長期休暇を利用して、ロンドン市内への旅行を考えている障がいがある方、参考にされてはいかがでしょうか。
ぜひ、ご覧ください。
ロンドンのバリアフリー状況
◯街並み
歴史ある建物や近未来的な建物が混在するロンドンの街並みは、歩道が石畳となっているところが多いです。石畳は凹凸が多く、車いすユーザが自走するには少し大変かもしれませんが、付き添いの方にサポートしてもらいながら移動することで安全に観光できると感じました。
公共交通機関
◯Oyster Card(オイスターカード)
このOyster Cardは、日本のスイカやパスモのようなICカードで、公共交通機関をご利用予定の方は事前購入しておくことをお勧めします。空港や駅のビジターセンタで購入することが可能です。
◯地下鉄
改札は、障がい者専用の出入口があり、階段では背の高さに応じて手すりが二重になっていたりと配慮されていました。
しかし、ロンドン地下鉄は1863年1月10日に開業した世界最古の地下鉄なので、ホームと電車の乗降口にはどうしても段差ができてしまうなど、車いすユーザは乗り降りが大変だと感じました。
また、駅社内には多目的トイレが用意されていましたが、開き戸タイプで扉が重たいことから、車いすユーザによっては利用しにくいかもしれません。
◯バス
車いすユーザもロンドンで有名な2階建バスを利用することができます。
低床バスや乗車用のスロープがバスに設置されていて乗り降りしやすく、1階部分はバリアフリーとなっています。
これにより、車いすやベビーカーを利用している人も安心して乗ることができます。
施設
◯ロンドン塔
イギリスの世界遺産のひとつであるロンドン塔は1078年から20年程の年月をかけて作られた歴史ある建物です。施設を結ぶ通路は、石畳や坂の部分がありますが、車いすユーザも見学することができます。
施設内には、多目的トイレが多く配置されているほか、一部の建物にはエレベータが設置されているので見学を楽しむことができるようになっています。
◯大英博物館
歴史的価値の高い発掘品や美術工芸品が所蔵されている「大英博物館」は世界最大の博物館のひとつと言われています。
見学を兼ねてバリアフリー状況をチェックしてきました。
博物館の正面玄関は、階段がありますがすぐ横に車いす専用リフトが設置されています。
館内は一日では見学しきれないほどの大きさ!
通路幅が広くなっているため車いすでの移動がスムーズで、途中階段などがありますが、すぐ横にリフトがあり安心です。
また、有料ですが他言語の音声ガイドがあるので、さまざまな人が展示物を楽しむことができます。
今回の取材で、ロンドン市内は石畳が多く、車いすユーザが市内観光をする際は介助の方と一緒に移動したほうが安心して楽しめると感じました。
そして、ロンドンの人たちは、困っている人を見かけると「手を差し伸べて案内する」という行為を自然としてくれるので、ソフト面では日本よりバリアフリーが進んでいると思いました。
これは、マナーを大切にする「紳士の国」という国民性の表れかもしれませんね。
2年後の東京オリンピック・パラリンピックに向けて日本も「おもてなし」の心を大切にし、ハード面だけではなく、ソフト面でもバリアフリーが進んでいくことを願いたいです。