2019年02月26日掲載
障がい者サッカーには、障がい特性に合わせてさまざまな種類があります。
例えば視覚障がい者5人制サッカー(ブラインドサッカー)や脳性まひ7人制サッカー(CPサッカー)、電動車いすサッカーなど。
そのような中 、先日、神奈川県川崎市を拠点に活動しているCPサッカーチーム「エスペランサ」の主催で、イングランド発祥の「フレームフットボール」体験会が日本初となるイベントが開催されました!
今回は、ゆうゆうゆう編集部員が体験会に参加し、その模様をレポートするとともに、フレームフットボールについてご紹介します。
ぜひ、ご覧ください。
フレームフットボールとは
フレームフットボールは、歩行に杖や補助具が必要な人でも楽しめるよう歩行器(フレーム)を利用する5人制サッカーです。
2014年にイングランドで考案され、現在はヨーロッパを中心に普及が始まっています。
今まで、移動に制限のある方、サッカーをしたくてもあきらめるしかありませんでした。
しかし、フレームフットボールを通じてスポーツの楽しさやコミュニケーション能力の向上にもつながると考えられています。
フレームフットボールの主なルール
- 歩行に杖や捕助具が必要な人が5人
- 年齢に応じてコートサイズが変わります
- 5人中1人はゴールキーパーでフレーム使用者
- ボールサイズも年齢に応じて軽量のフットサルボールを使用
- フレームとのボールの接触が許可
- 守備・攻撃ともに1対1のルールを適用
フレームフットボールについてはこちら
フレームフットボール(新しいウィンドウが開きます)About Cerebral Palsy Sport(英語表記のみ)
ゆうゆうゆう編集部員が体験!
今回の「フレームフットボール」イベントは東京都多摩市で前半・後半とで行われました。
前半は、理学療法士や教育関係者、障がい者サッカーの運営に携わっている方、そしてサッカーに興味のある方が参加して、ルールについて動画やスライドを多用し、わかりやすく説明が行われました。
イングランドからフレームフットボールを考案したサム・ターナー氏を講師として招き、誕生秘話や対象となる選手の特徴について解説が行われました。
後半は、会場に隣接するフットサルコートで実際にフレームを使った体験会が行われました。
前半の参加者に加えて、実際に対象になるであろう障がいの方々やそのご家族も参加していました。
普段、車いすを使っている人や足に装具をつけている人が実際にフレームを使い、初めは慣れない動きにフレームの操作がうまくできずに戸惑った様子でした。
しかし、次第にフレーム操作やスポーツ自体に慣れてきてスムーズに動けるようになっていました。
今まで、立って歩くとなると動作に不安を感じていた人でも、フレームを使うことで転ぶ危険性が少なくなり 、体験会の後半にもなると、みんな動きに自信がみなぎっているようにも見えました。
サム講師からの指示を受け、ジグザグ走行しながらフレーム操作とボールの受け渡し、ボールを前や横に運ぶ練習をして最後はシュートまで行いました。
体験後は普段は体をあまり動かさない人もコートを自在に歩き回り、満足そうな笑顔を浮かべていました。
まだまだ始まったばかりのフレームフットボールですが今後が楽しみです。
サム講師からのコメント
障がい者サッカーの「ブラインドサッカー」や「デフサッカー」に15年前から関わるようになり、現在は「CPサッカー」と関わりを持っています。
2014年、イギリスの脳性まひ(CP)スポーツに関わるようになってから、比較的動作の遅い電動車いすサッカーと激しくぶつかり会うCPサッカーをする人たちの中間にいる人たち 、特に日ごろ杖を使用している人などに提供できるサッカーが必要ではないかと考えるようになりました。
そこでフレームフットボールの開発に携わるようになりました。
まだ新しいスポーツのため、ルールを探りながらやっていますが、まずは知ってもらうこと、楽しんでもらうことが重要だと思っています。
今後、CPサッカーの普及が進んでいる国から、フレームフットボールを知ってもらえるよう、イベントや大会を開催して、広げていきたいと思います。そしてゆくゆくはパラスポーツとして大会なども開催したいです。
講師:
SAM TURNER
(サム・ターナー氏)
Secretary General
International Federation Of CP Football
(IFCPF(国際CPサッカー連盟)CEO/事務局長)
普段は移動をすることが大きなバリアになっている人たちがフレームを使うことでそのバリアが小さくなり、自信を持って前へ進みボールを蹴る姿がとても印象的でした。
また移動するバリアが少なくなったせいか、大きな声が自然と出て楽しんでいました。
スポーツを通じて、選手同士のコミュニケーションの大切さも学ぶことができたのではないでしょうか。
その様子を見守っていたご家族の笑顔にも繋がったと思います。
子どもがこのように自信を持って走り回るのを見てとってもうれしかったでしょうね。
体を動かしたくても参加できるサッカーが無かったその隙間を埋めたサッカーだと思います。
これからもフレームフットボールの普及と発展を応援していきたいと思います。