2019年08月20日掲載
ゴールボールは、視覚障がい者がバレーボールのコートと同じ大きさのコートの両端にゴールを置き、鈴の入ったボールを互いに転がすように投げ合い得点を競う競技です。
1チーム選手6名、ベンチコーチ3名で構成され、試合中は3名が出場します。
女子チームが、初出場した2004アテネでは銅、2012ロンドンではパラリンピック団体競技としては日本初の金メダルを獲得!
しかし連覇のかかった2016リオでは5位にとどまり苦汁をなめさせられ雪辱に燃えています。
初出場となる男子チームも世界ランクトップ10へあと一息のところまでレベルを上げていて、東京2020では、男女共に活躍が期待される競技です。
そこで今回は、ゴールボールの概要や魅力についてご紹介します。
ゴールボールってどんな競技?
選手は、「アイシェード(目かくし)」というスキーゴーグルを光が通さないように加工したものを着用して競技を行います。両サイドにサッカーのゴールと同じようなゴールがあって、使うボールは、バスケットボールとほぼ同じ大きさで、重さは1.25Kg、中に鈴が入っています。このボールをバウンドさせながら投球し合って、得点を競います。
使用するコート
コートは、18m×9m(バレーボールのコートと同じ広さ)。 ゴールの大きさは、幅9m、高さ1.3m。3m間隔でエリアが分かれていて、ゴール側から「オリエンテーションエリア」、「ランディングエリア」、「ニュートラルエリア」となります。また、オリエンテーションエリアとランディングエリアを合わせたエリアが「チームエリア」となります。
全てのラインには、テープの下にヒモを入れて凹凸をつけ、手や足で触って確認できるようになっています。
試合時間
- 正規時間(レギュラータイム):前後半12分、ハーフタイム3分
- 延長戦:前後半3分、ハーフタイム3分のゴールデンゴール方式(どちらかが得点した時点で終了)
- エクストラスロー:延長戦でも決着がつかない場合は、1対1のスローを行い勝敗を決めます
ゴールボールのルール
ゴールボールでは、基本的に投球されたボールが「攻撃側エリア」「ニュートラルエリア」両方の床でバウンドしなければいけないというルールがあります。また、ペナルティ(反則)をおかした場合、ペナルティスローが課せられます。守備側はゴールを一人で守らなければならなくなり攻撃側にとっては得点の大きなチャンスとなります。
ペナルティが取られるのは以下のような場合です。
主な反則(ペナルティ)
【パーソナルペナルティ】
- ショートボール
- 投球されたボールが、攻撃側のチームエリアに届かなかった場合
- ハイボール
- 投球されたボールが、攻撃側のチームエリア又はランディングエリアに触れずに守備側へ投球された場合
- ロングボール
- 投球されたボールが、攻撃側のチームエリアまたはランディングエリアに触れた後、ニュートラルエリアに触れなかった場合
- アイシェード
- ゲーム中、選手がレフェリーの許可なくアイシェードに触れた場合
- ノイズ
- 投球する選手が、守備側に不利になるような音を出したと見なされた場合
【チームペナルティ】
- 10セカンズ
- 投球されたボールに守備側の選手が最初に触れ、相手に投げ返したボールが10秒以内にセンターラインを越えなかった場合
- イリーガルコーチング
- オフィシャルブレイク中(ゲームタイマーが止まっている間)以外に、ベンチにいるコーチ等がコート内の選手に指示を行った場合
その他
【タイムアウト】
タイムアウトは、正規時間(レギュラータイム):1回45秒、前後半を通じて計4回、 延長戦:1回45秒、前後半を通じて1回取ることができます。
【選手交代】
選手交代は、正規時間内:前後半を通じて計4回(4人)、延長戦(オーバータイム):前後半を通じて1回行えます。
「日本ゴールボール協会」についてはこちら(新しいウィンドウが開きます)ゴールボールの魅力!ここが見どころ
ゴールボールは、視界を完全にシャットアウトした状態で行う競技。そのため、視覚以外の感覚を駆使して行われる迫力ある攻防が魅力の一つです。 また、選手同士の連携や音を利用した心理戦も見どころとなります。
攻撃側のポイント
ボールの出所をできるだけ相手選手に気づかれないように投球してゴールを狙います。 ボールをキャッチしてすぐに投げ返す速攻や、ボールをキャッチしてから足音を立てないように移動し、投球する移動攻撃があります。その他、バウンドボールや、相手ディフェンスの壁を越えるボールなど、攻撃のパターンは多彩です。
守備側のポイント
3人で連携してゴールを守ります。1人が止められなかったボールを、他の選手が後ろに回りこんで止めるなどのカバーリングも重要となります。
観戦方法
選手は、ボールに入った鈴の音とレフェリーのコールや笛を頼りにプレーしています。ディフェンスをするときは、相手チームの声や息づかい、足音などを聞き分けなければならないため、試合中は静かに観戦してください。
レフェリーが「クワイエットプリーズ!」とコールしたら、「静かにしてください!」の合図です。しかし、ゴールが決まった瞬間や、タイムアウト、選手交代の時などは音楽が流れるので大きな歓声を送りましょう!