ゆうゆうゆう編集部員座談会「変わる働き方:後編」

2020年07月14日掲載

前回は、新型コロナウイルスの影響で、生活面で変わったことを中心に話し合いました。今回は、「仕事」についてです。
ゆうゆうゆう編集部では「テレワーク」が積極的に取り入れられ、今では全員が自宅で業務を行えるようになりました。
その中での「気づき」や「今後の仕事のあり方」について思ったことをディスカッション!その模様をぜひご覧ください。

写真:車いすユーザの男性編集部員2名、聴覚障がいの男性編集部員、視覚障がいの女性編集部員が在宅で仕事をしている

「テレワーク」は障がい者にとって働きやすいの?

およ: みんな、「テレワーク」してみてどうだった?

ふじ: あまり変わらなかったかな。いつも通りの時間に起きてラジオ聴いて、9時から仕事始める。通勤時間、往復4時間がないのが違うくらい。

およ: それ、大きく変わってない!?私の通勤時間は通常、電車とバスと徒歩で往復1時間くらいだけど、それを省略できて、身体を休められたし、家事をする時間も確保できたかな。

りょ: 電車とバスで通勤してると、必ず遅延はつきもので…。そのたびにアナウンスを聞いたり、聞きそびれて調べたりすることがなくなったのは大きい。朝からストレスなく仕事できるから楽だね!

ごう: この中では一番会社に近いけど、雨とか天気が悪いときは特にいいと思った。ただ、体は楽だけど精神的には疲れる気がする。慣れだろうけど。

およ: 通勤時間がないっていうのは、誰でもストレスがなくていいって聞く。ただ私は、買い物とか行くのは逆に面倒かな。
いつもなら、帰宅途中で買い物に立ち寄れていたのが「わざわざ家から出かけるのはちょっと」って考える。

写真:ごう編集部員とふじ編集部員が在宅で仕事をしている

ふじ: 車いすユーザも「移動がない在宅勤務がいい」って人が多いかも。
ただ、企業によって社外に持ち出せない仕事や通信環境などが整っていないから難しい場合もあるけど。テレワークの実施率は、全国でまだ3割弱らしいからね。

ごう: 地域差もあるかもね。あと精神障がい者にもテレワークは増えているよね。通勤のストレスがないことや集中して仕事ができることがいいと聞く。人によって合う合わないはあるだろうけど。

ふじ: たしかに、集中してできるのはあるかな。ただ、いつ休憩していいか分からないときがある。
結構、在宅していると休憩しづらいって言う人も多いんじゃないかな。自分も気づいたら昼休みで、そういうときに限っていいアイデアが浮かんでくる。

一同: またー(笑)

およ: 私の場合在宅だと、ちょっとパソコンの画面がどうなっているのか見てもらいたいとき、誰もいなくて困るっていうのがあるかな。打ち合わせとかも電話会議や、今みたいなオンライン会議ができるのは良かったかなと。

りょ: 自分の場合、パソコン環境が整っていたら特に問題なくできた。電話会議も補聴器つけているからできたし、オンライン会議も相手の表情とか分かるから。
ただ、聴覚障がい者の中には、手話を使う人もいるから、オンライン会議での手話通訳は、タイムラグがあって難しいみたい。あと、電話会議やオンライン会議に参加できず、議事録を確認してと言われるケースもあって孤独を感じてる人もいるみたい。

ごう: 最新のソフトだと、話している言葉をテキスト化してくれるけど、全ての企業が用意できる訳じゃないしね。メンタルや体調をくずしてしまう人も多いかもしれないね。

「テレワーク」の可能性

ふじ: テレワークができない職種もあるよね。接客業や清掃業とか現場にいかないとできない仕事もあって、働いているのは主に知的や精神障がい者かな。
それと、販売するモノを作る福祉作業所とかも休業になるから、知的障がい者がなんで休みになるのか理解できずに困るとも聞く。

およ: 視覚障がいの中でも、企業のヘルスキーパーはテレワークができないから、できることがほぼないって言ってた。 逆に医療関係で施術をしている人は、来てほしいと言われてたみたい。

ごう: 医療従事者もテレワークはできないよね。
24時間介護が必要な人もいるし。さっきオンライン受診の話もあったけど、病院に行かなきゃいけない人で、基礎疾患などがある場合に、ためらう人もいるだろうね。高齢者や障がい者の場合、重症化するリスクが高いと言われているからそういう人たちのケアをどうするかは、今後も課題だよね。

ふじ: ちょっとテレワークから離れちゃったけど、確かにこれから考える必要があることだよね。
いずれにしても、テレワークが一気に増えたことは事実で、じゃあ、障がい者にとってテレワークがどんな影響を与えていくんだろう。

写真:およ編集部員とりょ編集部員が在宅で仕事をしている

りょ: これからの新しい働き方をテレワークを通じて考えていくしかないと思う。

ごう: 例えば、販売の仕事なら通販などに力を入れるとかもありだよね。会社に行くことが難しい人にとって、場所を選ばないテレワークは、働く可能性が広がると思う。

およ: うん、私たちもテレワークしてるしね。あと、やってみて色々気づいたことがあると思うの。
自分たちで考えていくことが大事なのかもしれないね。

ふじ: そうそう。これまでは遠方への取材とか難しかったけど、テレワークが始まってからみんなでオンライン会議とかやるようになって思ったんだけど、オンラインでのインタビューができそうだよね。
今までより幅広く取材もできるようになるかなって。テレワークは、今働いている障がい当事者たちの働き方を見直すいい機会にもなると思う。

イラスト:編集後記

今回、編集部みんなが「テレワーク」実施中だったので「初のオンライン座談会」を開催。不要不急の外出を避けた中で、自粛期間中に障がい当事者が感じたことをそれぞれに語り合いました。
アフターコロナでは、人と人との距離を保つ「ソーシャルディスタンス」が大切な人命や健康を守るために必要です。しかし、その一方で「密接な助け」が必要な人たちがいるということも、ぜひ知っていただけたらと思います。
これからも、新型コロナウイルス感染拡大防止で、さまざまな対策が行われると思います。その際、お互いに寄り添って考えていくことが、「共生社会」の実現に近づくのではないでしょうか。

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