「119番」は、火事・交通事故・急病など緊急時、消防へ助けを求めたいときに通報する電話番号として多くの人に知られています。しかし、聴き取りや発声などの障がいがあると通報ができないという人がいます。
そのような人たちのために一部消防本部(注)では音声以外の方法で通報できるサービス、「NET119 2.0」を提供しています。
今回は、「NET119 2.0」の特徴などをご紹介していきます。ぜひご覧ください。
(注)導入済み消防本部数:235本部(726本部中)2020年1月1日現在
2020年度末までに導入予定の消防本部数:569本部(導入済み本部を含む)
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NET119 2.0とは?
前身サービスの「NET119緊急通報システム」から8年経ち、新たに「NET119 2.0」のサービスが提供されています。
これまで、聴き取りや発声に障がいがある人は、「FAX119」や「メール119」しか利用できませんでした。これらのサービスは外出先で使用できなかったり、入力に時間がかかってしまったりと、通報するのが困難であることが課題でした。
そのような中、新たに聴覚・発話障がい者のために開発されたのが、株式会社ドーンが提供する「NET119緊急通報システム」、「NET119 2.0」サービスです。
管轄している各自治体の申請窓口で個人情報や自宅周辺地図、任意情報を申請後、スマートフォン・携帯電話のインターネット接続機能を利用しアプリで登録すると、素早く119番通報することが可能になります。
○聴き取りや発声に障がいのある人が緊急通報で困ること
- 声に出して助けを呼ぶことが難しい
- 音声電話で通報することが難しい
○既存緊急通報システムのサービス比較
自宅からの通報 | 外出先からの通報 | GPS付きの通報 | |
---|---|---|---|
FAX119 | ○ | × | × |
メール119 | ○ | ○ | × |
NET119 | ○ | ○ | ○ |
NET119 2.0の特徴
- 利用登録時に、自宅位置・持病・内服薬・かかりつけ病院・家族などの連絡先を事前登録することで、緊急時に備えられる
- 外出先では、スマートフォンや携帯電話を利用して通報するため、GPS機能によりすぐに通報場所(現在地)を特定することができる
- 消防と緊急通報者との間でWebによる文字通信コミュニケーションが可能。文字により、緊急通報者の現在地へ急行していることや、消防が到着するまでの処理などを伝えたりすることができる
- 堅牢なデータセンター内で、厳重にアクセス管理されたサーバルームにて運用されているため、個人情報が守られている
- このシステムはクラウド型のサービスで、携帯電話各社から新しい携帯端末がリリースされると、サービス対応テストを行い順次対応を行っている
○利用者の声
- 今まで旅行へ行くのが不安でしたが、NET119があれば日本国内どこでも居場所を伝えて通報ができるので、安心して旅行を楽しめるようになりました。
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NET119は事前登録制というところが魅力だと思います。
いざ通報するときに自分の情報を細かに伝える事は難しいですから、先に情報を伝えておけるのは助かります。
以前まではリアルタイムで通報をすることができない状況が続いていましたが、今回、このようなシステムが導入されたことにより、聴覚や言語に障がいのある多くの人が救われたのではないでしょうか。
しかし、このシステムを導入している地域は拡大してはいるものの、対応していない地域もあるため、NET119 2.0の導入については、お住まいの市区町村へお問い合わせください。
今後、このようなシステムの導入が当たり前になり、一人でも多くの命を守ることができ、より暮らしやすい社会になってほしいです。