UD製品に触れて試せる「ミライロハウス TOKYO」

障がい当事者の視点でユニバーサルデザインに関するコンサルティングなどを行っている株式会社ミライロが2020年7月、東京都にある丸井錦糸町店内に障がい者が使いやすい製品やサービスなどの情報発信を行う「ミライロハウス TOKYO(以後ミライロハウス)」をオープンしました。
ミライロハウスでは、4つのテーマを設けてその人に合ったライフスタイルをアップデートするための「きっかけ」を提供したいとしています。
そこで今回、ゆうゆうゆう編集部員が伺い、実際にミライロハウスを体験してきました。ぜひご覧ください。

写真:ミライロハウス

ミライロハウスとは

株式会社ミライロが展開する実店舗で、ダイバーシティ&インクルージョンに関する情報発信と交流の拠点として「ふれる」「つながる」「学ぶ」「創る」の4つの「きっかけ」を提供する場としています。
店舗では、製品を使用できるほか障がいに関わるイベントが多数行われる予定です。

テーマ①:ふれる

国内外の企業が開発した、ユニバーサルデザインに配慮された最先端のICT機器の製品に触れることができます。また、一部の製品については購入前にレンタルも可能です。

・オーカムマイアイ2

写真ゆうゆうゆう編集部員が実際に体験している様子 紙媒体や掲示物などに書かれた文字を視覚障がい者向けに音声で読み上げる眼鏡型の視覚支援デバイスです。
無線イヤホンを接続することで、自分だけに聞こえるようになり、読み上げ速度も調整できる製品です。音声読み上げ以外に顔認証も可能となっており、100人まで登録することができます。
ミライロハウスでゆっくり試せるほか、12日間のレンタルサービスもおこなっています。

・ミライスピーカー

写真:音の出る部分が湾曲型になっている2台のスピーカー 世界初の特許技術である曲面振動板スピーカーで、従来のスピーカーとは異なり、湾曲させた振動板全体から音が出る構造から広い範囲に明瞭な音を発信することができます。
この「曲面サウンド」は多くの難聴者にとって聞こえやすい音であると同時に、離れることで音が小さくなる事象を防ぐ特性もあり、商業施設などで大音量でなくてもアナウンスを遠くまで届かせることが可能です。

・みんなのくつした(Universal Design Socks)

写真:足底に2本の線がついているくつした 締めつけ感が気になる方に配慮したゴムのない靴下や、弱い力でも簡単に脱ぎ履きできる伸縮しやすいガーゼのような靴下を展示しています。
サイズについては、「22から24センチ」は1本線、「24から26センチ」は2本線、と視覚障がい者でも触ってわかるように足底に線がついています。

・Easy Tactix(イージータクティス)

写真:ゆうゆうゆう編集部員が出力する機械の横で立体的に印刷された畳を触っている様子 パソコン上のテキスト文字を点字変換、地図や楽譜、画像なども立体出力が可能となっています。
熱発泡素材をコーティングした専用の紙を使用し、熱を加えた部分だけ精細に膨らませることができます。

・Smart Drive(スマートドライブ)

スマートドライブは、手動車いすに簡単に取り付けられるのがとても魅力的です。
坂道などでも簡単にアシストしてくれます。フル充電で約20キロの走行が可能で、最大時速は約6キロです。スピードは調整することができます。

写真:スマートドライブを取り付けてもらった編集部員と、砂利や芝生を走行しているスマートドライブのサンプル

2020年10月22日(木)からレンタルサービスを開始し、取りつけもしてもらえます。
「スマートドライブのレンタル」についてはこちら(新しいウィンドウが開きます)

テーマ②:つながる

著名人によるトークセッションや、障がいなど同じ悩みを持つ人同士の交流会や、新たな気づきを得るきっかけとなるようなイベントを行います。

テーマ③:学ぶ

ユニバーサルマナー検定、手話講座、点字教室など子供から大人まで、多種多様な視点や考えを身につけられるセミナー、講習会等を開催します。

テーマ④:創る

ユニバーサルデザインに配慮された製品づくりを目指し、企業の製品開発担当者と障がい当事者による座談会やワークショップなどのイベントを行います。

ご担当者からのコメント

写真:ミライロハウス TOKYOの担当者とゆうゆうゆう編集部員のツーショット 障がいのある方にとって、自分たちのライフスタイルをアップデートするような製品に触れる機会はとても少ないと感じています。
また製品を開発している企業側も障がいのある方に体験してもらう機会や、使用感・課題点といった生の声を聞く機会もほとんどありません。
ミライロハウスはこれからもより多くの製品の展示を目指し、障がいのある方にとっては、いつも新しい製品が体験でき、ライフスタイルをアップデートできる、開発者にとっては、当事者のフィードバックを受け、本当に必要なものを開発できる、このような双方向性のある場所に発展していきたいと考えています。
将来的には東京だけでなく、さまざまな場所でミライロハウスを展開し、多様な方が集い、情報交換をし、新しい製品が生まれる、その中心地になることを目指しています。

会社情報

店舗名:ミライロハウス TOKYO
所在地:東京都墨田区江東橋3-9-10 丸井錦糸町店5階
営業時間:11時00分から19時00分
休館日:年末年始

「ミライロハウス TOKYO」についてはこちら(新しいウィンドウが開きます)

イラスト:編集後記

ミライロハウスには、障がい者のみならず、高齢者などにも便利な製品が展示されています。
一般市場で購入する場合、果たして本当に自分にとって使いやすいものかどうか…とためらいがちになってしまうのではないでしょうか。ましてや、それが高価なものであるとなおさらです。
その点、ここではさまざまな製品を試したり、レンタルしたりできるので嬉しいですね。
今後、ミライロハウスのような場が増えれば、障がい当事者と企業の意見交換が活発になって、さまざまな気づきから新たな商品が生まれるかもしれません。
お買い物ついでに、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか。

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