2021年07月13日掲載
秘書:みなさんはCAPTCHAというものをご存じでしょうか。言葉は知らずとも幾度となくみなさんが目にしているアレのことです。
ちょうど師匠と見習い君がCAPTCHAについて話しているようです。
- ウェブアクセシビリティ職人「見習い君」と「師匠」がアクセシビリティな世界を目指す
- このストーリーは、新人ウェブアクセシビリティ職人「見習い君」とベテラン職人「師匠」、解説を担当する「秘書」を通して特に障がい者をはじめ身体的な制約がある方たちがウェブ利用時にどの様な障壁にぶつかり、どの様な工夫をして克服しているかなど「ウェブアクセシビリティ」の実例をはじめ「ウェブアクセシビリティ」と共に重要な「社会的アクセシビリティ」についても紹介していきます。
CAPTCHAってなに?
見習い君:師匠、前回教えてもらった、代替テキストについて書かれたJIS規格の文章を読んでいるんですけど、良くわからない用語があるのですが。
師匠:あいかわらず勉強熱心だな。何という用語だ?
見習い君:CAPTCHAです。
師匠:なるほど、CAPTCHAか。
簡単に言うと人間とプログラムを判別するテストのことだ。まあ、聞くより見たほうが早いだろう。
これだ。
見習い君:これのことだったんですね!①は画像に表示された文字を入力するものですよね。
師匠:そのとおり。では②や③はどうかな?
見習い君:どちらも見覚えはないですね…。でも、②はもしかして右のピースを左の欠けた場所に持っていくんじゃないですか?
師匠:そのとおり。③は、最初はチェックボックス③-1が表示されていて、チェックを入れようとすると画像の選択画面③-2が表示される。指定されたものが映った画像をすべて選択できれば完了という訳だ。
CAPTCHAは視覚障がい者にとってバリア! ?
見習い君:結構めんどうですね。あれ、でもこの画像、代替テキストがついてないですよ。ダメじゃないですか?
師匠:それはJIS規格の代替テキストの部分に書いてある例外項目にあたるからだ。
CAPTCHAに利用される画像については、代替テキストを設定しなくても良いとされておる。
見習い君:えぇ ?!それじゃスクリーンリーダーユーザの人たちはCAPTCHAを突破できないじゃないですか。
師匠:まぁ、この例で言えば①と②についてはそのとおりだ。だが、③は違うぞ。
③-2のところで下のほうにあるヘッドホンのアイコンを押すと画面③-3になる。再生ボタンを押すと、だいたい3、4個の語句の音声が流れてくるからそれを聞き取り、正しい語句を入力できればOKだ。これならスクリーンリーダーユーザも突破できるというわけだ。
見習い君:どれどれ。あ!これ、英語じゃないですか!
聞き取れる気がしませんよ。
師匠:仕方のないやつだな、全く。
秘書:CAPTCHAとは、プログラムによる短時間でのアカウント大量取得や不正アクセスを防ぐ目的で、主にウェブサイトの会員登録やログインの際に入力を要求するものです。
JIS規格においては、CAPTCHAで利用されている画像などはその目的から、例外的に代替テキストを設定しなくてもよいとされています。しかしながら、これはCAPTCHAがアクセシビリティに配慮する必要はない、ということではありません。
例えば、主に視覚を利用するCAPTCHAと、主に聴覚を利用するCAPTCHAを両方用意することで、視覚障がい者も聴覚障がい者もサイトを利用することができます。
CAPTCHAについてもっと詳しく知りたい方は、以下をご参照ください。
【非テキストコンテンツ:達成基準 1.1.1 を理解する】
https://waic.jp/docs/UNDERSTANDING-WCAG20/text-equiv-all.html(新しいウィンドウが開きます)
【G144: 同じ目的を果たす、異なる感覚モダリティを用いたもう一つのCAPTCHAがウェブページにあることを確認する】
https://waic.jp/docs/NOTE-WCAG20-TECHS-20120103/G144.html(新しいウィンドウが開きます)