協賛企業各社
障がい者雇用の取り組み
NTT都市開発(株)

障がい者の視点も取り入れた不動産開発事業を進める

NTT都市開発(株)は、総合不動産デベロッパーとして
「全ての人が快適に過ごすことのできる空間」の創出に取り組んでいます。
体験を重視した障がい理解研修の開催や
開発物件における障がい当事者の声の反映などを通して、
さまざまな角度から障がい者の視点を取り入れた不動産開発事業を進めています。
(掲載の情報は、インタビューを実施した2017年7月時点のものです。)

担当者インタビュー NTT都市開発(株)の取り組み 総務部 ダイバーシティ推進室長 高橋菜美子さんのインタビューのバストショット。穏やかな中に力強さを感じさせる眼差しでインタビューに答えている様子。

障がい理解研修は
必ず体験型の内容を取り入れています

ダイバーシティ推進室は、2014年10月に発足しました。「どんな人でも活躍できる」という考え方を原点に、性別、障がいの有無、勤務時間の制約などに関係なく、誰もがいきいきと働ける職場づくりをめざしています。同時に、不動産デベロッパーである当社は、「全ての人が快適に過ごすことのできる空間」の創出に取り組んでいます。不動産の開発・運営において障がい者の視点を取り入れていくこと、また、今後障がい者雇用を促進していくことの重要性をかんがみて、「障がい理解研修」を始めました。まずは、私たち自身が基礎知識や心構えを学ぶべきと考えたからです。

更に内容をよりよくしたいと思ったきっかけは、社外で受講したNTTクラルティ(株)による研修でした。障がいの特性についての基本的な説明や日常生活でサポートしてほしいことなどを、障がい当事者の方にお話しいただいたことに加え、ご自身の障がいについても率直にお話しいただく中で、その前向きな生き方に触れ、とても感動しました。当社における研修においても、講師の方にはそのような要素を取り入れていただけるよう依頼しています。

現在当社では、希望する社員や、新入社員を対象とする研修を実施しています。研修では、対面かつ20名以下の少人数での研修とすること、併せて、座学だけでなく障がいの疑似体験など体験型の内容を取り入れることで、障がいのある方と直接コミュニケーションを取ってもらうことを心がけています。将来的には、より多くの社員に受講してもらえればと考えています。

当社では、障がい特性で配慮すべきところは配慮しつつ、人にいろいろな個性があるように、障がいも“個性”であり、障がいがある方ものびのびと働くことができる環境であるよう、何かあれば個別に相談に応じています。障がいの有無にかかわらず、働きやすい環境づくりには、円滑なコミュニケーションが不可欠と考えています。働き方改革に関する取り組みや、ダイバーシティ推進に関する研修等を通して、全ての社員がよりコミュニケーションを取りやすい環境の実現に向けて取り組んでいます。

社員インタビュー 住宅事業本部 事業戦略部 販売・広告グループ 村井 保恵さんのインタビューのバストショット。いきいき、ハツラツとした表情でインタビューに答えている様子。

自分の障がいをきちんと伝えることで
周囲も自然に受け入れてくれる

私は、下半身の障がいで車いすを使用しています。入社後に「障がい理解研修」を受けてみて、自分とは違う障がいの人が何に困っていて、何を周囲に理解してほしいのか、改めてよく分かりました。また、講師の方々が自然に障がいと「共生」していく意識について語ってくださったのも印象的でした。

健常者の方が、障がいについて分からないのは当然のことだと思います。ですから、私は、自分の障がいや生活上の留意点は、誤解のないよう同僚にもきちんと伝えるようにしています。そうすることで周囲も自然に受け入れてくれますし、仕事上の会話も進めやすくなります。最近は1人で当社が販売している分譲マンションのモデルルームなどの現場に行くこともありますが、先に着いた同僚がスロープの勾配を心配して、迎えに出てきてくれることもあり、何気ない配慮に感謝しています。

実際に現場を見ていると、障がい者視点でのチェックはやはり大切だと思います。部内の会議等で意見を言い、「参考になる」と言ってもらえたことは、とても嬉しかったです。今後も、障がいのある当事者として自分らしい視点を生かしながら、さまざまな業務に貢献していきたいと思っています。

担当者インタビュー プロジェクト推進部 企画担当 担当課長 東田中成佳さんのインタビューのバストショット。「大手町二丁目プロジェクト」への意気込みや思いについてインタビューに答えている様子。

現在進めている大規模再開発事業では
設計段階から「ユニバーサルコンセプト」を取り込みました

当社が現在、都市再生機構(UR)とともに進めている「大手町二丁目プロジェクト」は、逓信博物館があった逓信ビル等の跡地に広がる敷地面積約2万㎡の大規模再開発事業です。

この事業の特長の一つは、ユニバーサルの視点を設計段階から取り入れたことです。これまでにも、完成したビルに対して障がい者の視点によるバリアフリー状況等のチェックを行う「ユニバーサルチェック」を実施してきましたが、更にユニバーサルの視点をステップアップできればと考えNTTクラルティ(株)へ相談し、その結果、設計段階での障がい者社員の方との意見交換会を実施することとなりました。

当プロジェクトでは、意見交換会での声をもとに当初の設計の一部を変更し、随所に「ユニバーサルコンセプト」を反映しています。例えば、車いす利用者用に段差解消機を設置、視覚障がい者用にエントランスへの呼び出しインターホン(カメラ・点字案内付き)や主要動線沿いの植栽に立ち上がりを設置、「だれでもトイレ」には、さまざまなサイズの車いすやベビーカーでも使いやすい多目的シートを導入している他、災害時に聴覚障がい者の逃げ遅れを防ぐため、災害通報用フラッシュライトも設置しています。

「大手町二丁目プロジェクト」意見交換会の会議室のショット。NTTクラルティ(株)からも障がい者社員が参加し、活発に意見交換している様子。
●意見交換会の様子

当プロジェクトの立地する大手町エリアは、従来ビジネス街として機能してきましたが、完成後は従来の利用者に加えて子ども連れ、高齢者、障がい者など多様な人たちが集うことができる「ユニバーサル・タウン」が誕生します。2018年9月にグランドオープンを予定しておりますので、ぜひ、現地を訪れ、快適な空間を実感していただければと思います。

「大手町二丁目プロジェクト」ビル完成予想像画像。南西からみたグレーのビルの外観。
●南西からの外観(完成予想)