会社の特性を活かし
幅広い障がい者雇用を積極的に進める
NTTエレクトロニクス(株)は、社員が障がい者となった場合の継続雇用や中途採用・新卒採用などに向けて、幅広く雇用に取り組んでいます。
今後は、集中力や根気が要求される作業が多い生産現場の特性を考え合わせて、精神・知的障がい者の雇用も進めていく方針です。
長く働き続けられる会社に
当社は、障がいのある社員が長く働き続けられる会社をめざして、在籍中の社員が不慮の事故や病気などにより障がいを発症した場合でも原則として雇用を継続しています。
また、今後は精神障がい者を含む障がい者の採用を行っていく必要があると認識しています。NTTエレクトロニクスグループの製造現場では、集中力や根気を必要とする作業も多く、こうしたセクションで活躍してもらえるのではないかと考えています。
NTTクラルティ(株)の支援のもと心のバリアフリー研修を、この1年で2回実施しました。受講者からは、「体験を通じて障がいのある人の大変さや気持ちが分かった」「障がい者を見かけたら積極的に声をかけるようにしたい」といった前向きな意見や感想が多く聞かれました。また、この研修は障がい者の問題に限らずマネジメント全般を考える上でも有益だったという感想も多数寄せられました。
今後は、障がいのある人たちが働きやすい職場環境づくりをめざして、エレベーターやトイレといったハード面の整備や上司や産業医との緊密な連携を図るための制度などソフト面の整備を支援機関などの協力を得ながら、より一層進めていきます。障がい者雇用では、定着して長く働けるような支援が何より大切だと感じています。そのためにも雇用にあたっては、グループ全体で取り組んでいく考えです。障がい者の人たちが仕事のノウハウを蓄積し、安心して長く働いてもらえるような会社にしていきたいですね。
障がい者が働きやすい環境整備を進める
NTTエレクトロニクスコプロ(株)は、平成30年4月の再編によって、NTTエレクトロニクス(株)の子会社として誕生しました。NTTエレクトロニクス(株)の工場への人材供給と生産支援を推進しています。現在約150名の社員がいますので、速やかに障がい者雇用に取り組まなければならない状況です。そのためにも、安心して働ける環境を整備していきます。
親会社を含め計5社*が協調して事業活動を行っており、当社の社員は各生産現場に分散しています。障がい者を雇用し、定着率を高めていくためには、仕事の洗い出しとマッチング、配属部門との調整が欠かせません。そのためには当社単独というよりも、主に茨城事業所になりますが、関連するNTTエレクトロニクスグループ各社と連携して取り組むことで、今後の障がい者雇用をスムーズに推進できると思っています。
まずは、NTTクラルティ(株)のコンサルティングの活用や障がい理解研修などを実施して、社員の意識づけから始めていくことが必要だと考えています。そして、ハローワークや就労支援機関などとも連携を図り、より積極的に障がい者雇用を進めていくつもりです。
障がい者雇用の幅広い可能性が見えてきた
私は、心臓に植え込み型除細動器(ICD)を装着しています。今年4月に企画部門から生産管理部門に異動し、現在は販売や納期管理を担当しています。除細動器に電磁波の影響がある製造工場に入るのは困難ですが、それ以外はほぼ健常者と同様に勤務できるので、体調面も含め、職場で困ることは特にありません。
昨年度、心のバリアフリー研修を受講しました。私自身も障がい者ですが、耳栓や車いす、アイマスクを使用し、他の障がい者の人たちが日頃どんな不便さを感じているか、体験を通じて学べたのは大きな収穫でした。例えば、視覚障がい者を誘導するには、白杖を持っていない側に立ち、自分の腕を持ってもらうよう声をかけると歩きやすいといったことは教えてもらって初めて分かりました。これまで、困っている障がい者がいたら手助けしたいという気持ちはあっても、いざ街で見かけると声をかけられなかったのですが、この研修で「一歩踏み出す勇気」をもらいました。
また、障がい者の様々な特性にも改めて気づくことができました。例えば、精神・知的障がいの人であれば、細かな作業や反復して行うような作業に優れた能力を発揮する人もいるのではないでしょうか。茨城事業所の工場には、わずか1〜2mmの部品をピンセットで加工するような仕事がたくさんあります。手先が器用で、研ぎ澄まされた感性を持った人に、その作業の価値などをきちんと伝えれば、高いモチベーションを持って仕事をしてくれるのではないか——と想像が広がります。まずは1人、それが3人になり、10人にまで増えてくれれば、よいサイクルが生まれるはずです。今後は、そうした雇用環境の実現に向けて尽力していきたいと考えています。
NTTエレクトロニクスグループの精密部品の製造工場はクリーンルームとなっており、車いすは静電気の帯電が製造の支障となるため、またペースメーカー等は電磁波の影響を受けて危険なため、入場できないという制約があります。一方で、それ以外の屋内エリアには、建物が2001年建造と比較的新しいこともあり、車いす対応のエレベーターやトイレ、幅広の入退場ゲートなどの施設を整備し、屋外にも駐車場からスロープを通って出入りできる動線が確保されているなど、障がい者に配慮された職場環境を整えています。
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入退場セキュリティゲート
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車いす対応トイレ
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障がい者用駐車スペース
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スロープ