あらゆる社員の多様性を活かして
不動産開発事業に取り組む
NTT都市開発(株)は、「ダイバーシティ&インクルージョン」を
経営戦略と位置づけ、性別や年齢、人種、国籍、
障がいの有無、性的指向、性自認を問わず、
すべての社員が活躍できる職場づくりに取り組んでいます。
※掲載の内容は、取材時点のものです。
多様な人材が活躍できる会社をめざす
当社では、障がいの有無にかかわらず、人物・能力本位で採用を行っています。こうした姿勢を広く知ってもらう機会として、昨年度初めて、障がいのある方向けの合同企業面談会に出展し、専用ブースも設けました。その結果、数多くの優秀な学生と出会うことができ、そのうち1名が、来春、新入社員として入社予定です。障がい者の方に、当社の障がい者雇用に向けた姿勢を知っていただく上で効果が大きいので、出展は来年度以降も継続したいと考えています。
入社後の新入社員研修や育成研修のカリキュラムは、障がい者も一般の社員と共通のものとしていますが、受講にあたっては、個別に必要な配慮を行っています。総合職採用なので、配属時には本人の障がい特性のほか能力、目標も踏まえて仕事とのマッチングを図るなど、人事部門と連携して対応しています。
NTTクラルティ(株)の協力で実施している障がい理解研修は、障がい者社員を受け入れる基礎になると同時に、当社の開発事業に活かせる「気づき」が得られると好評です。障がい者も含め、誰にでも利用しやすい社会環境の創造も当社の持つ大切な使命だからです。
当社では、「ダイバーシティ&インクルージョン」を経営戦略と位置づけ、性別、年齢、人種、国籍、障がいの有無、性的指向、性自認などにかかわらず、多様な人材が活躍できる職場づくりを推進しています。ダイバーシティ推進室でも、多様な人たちが社内にいるだけでなく、一体となって活躍できることこそが重要という視点に立ち、この取り組みを進めていきたいと考えています。
いつか大規模開発に携わりたい
私は、子どもの頃に脳梗塞を患い、右半身が不自由なため、日常的に足の補装具と松葉杖を使っています。就職活動時には、都市政策に興味があったことからNTT都市開発(株)を志望しました。不動産業界は体力的に厳しい印象がありましたが、社風や雰囲気が自分に合うと感じたことから、2017年4月に入社しました。
現在の仕事は、オフィスビルの運営管理全般です。具体的には、事業計画の策定から請求書発行、契約交渉、売上管理、設備管理まで、多岐にわたります。障がいがあることで業務に支障をきたすことはほとんどありませんが、繁忙期に残業をする日が続くと、疲れやすいと感じることもあります。そういうときは、早めに出勤して通勤ラッシュのピークを避けるなどしながら、効率よく仕事を進めています。
設備管理業務では、エレベーターのない場所、急な階段や段差のある場所に入る場合もあります。当初はかなり神経を使いましたが、今は慣れたので注意すべきポイントも覚え、心配はなくなりました。また、交通機関を利用する際は事前に駅構内の動線をチェックするなど、スムーズに移動できるよう工夫しています。
自分の障がいをオープンにすることで、少しずつでも社会の考え方が変わり、バリアフリーなどのインフラ整備が進めばいいと思います。将来は、今担当している現場の知識に加え、障がい者の視点も活かしつつ、開発事業に携わりたいと考えています。いつか、一つの街を丸ごと創り出すような大規模開発に関われたらいいですね。
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デスクでパソコンを操作する永田さん
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小林担当課長代理はなんでも相談できる心強い存在
新人の指導もこなす頼もしい存在
配属前はどんな対応が必要か少し不安でしたが、永田さん本人とも相談した結果、職場での配慮としては、座ったり立ったりするとき動きやすいよう、座席の背後に多少広めのスペースを設けているくらいです。他に、当初は松葉杖を傘立てに置いていることもあったので、近くに置けるようにデスク脇にマグネット付きのホルダーを用意するなど、細かな改善は行っています。
仕事上、管理先のビルに出向くため外出も多いので、当初は人ごみを避けたり、エスカレーターで下側に立ったりと、本人を守るための配慮をしていました。しかし、今ではそうした配慮は過剰に感じますし、歩くのも彼の方が速いくらいです。
ビル管理における顧客対応は、何かあればすぐに現地に駆けつける迅速さが大切です。それによって、小さな不具合が大きなクレームに発展することを防げるからです。彼は、そうした場面でも素早く行動し、きめ細かな対応をしてくれています。一方で、担当する業務の範囲も幅広く、特に契約交渉などは、同期でこれだけの経験を積んでいる人材はいないのではと思うほどです。
今年6月からは新入社員の指導も担当しています。困ったときは当然相談に乗りますが、普段は安心して仕事も後輩の指導も任せられる頼もしい存在です。今後は、仕事に対しより広い視野を持ちながら、夢に向かって進んでほしいと願っています。
2018年8月、NTT都市開発(株)と都市再生機構(UR)が共同で再開発を進めてきた大手町二丁目に大規模オフィスビル「大手町プレイス」が竣工しました。ビジネスプレイスとして、人・モノ・情報がグローバルにつながる「場」、パブリックスペースとして、建物にとどまらない面としてひろがる「場」を創出し、多様な人々が集い、快適に過ごしていただける空間を提供しています。
「大手町プレイス」の建設にあたっては、障がい者の方々との意見交換会を実施し、設計段階からユニバーサルの視点を取り入れました。例えば、東エントランスには視覚障がい者用に点字が表示されたカメラ付きインターホンを設置しました。また、1Fの「誰でもトイレ」には、片手でも上げ下ろしできる多目的シートを設置し、身体の不自由な方や高齢者などさまざまな方々が利用できるように配慮するとともに、フラッシュライトを設置し、聴覚障がい者に緊急・災害時の情報が伝わるようにしています。このほかにも授乳室や、視覚障がい者に配慮し、主要動線沿いの外構に植栽の立ち上がりを設置するなど、ユーザビリティとアクセシビリティをかたちにして「大手町プレイス」にダイバーシティのコンセプトを反映させました。
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点字ブロックを設置した東エントランス
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点字が表示されたカメラ付きインターホンと大手町プレイスの触知案内板
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広いスペースを確保し、快適で使いやすく配慮された誰でもトイレ
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誰でもトイレに設置された多目的シート
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誰でもトイレの天井に設置されたフラッシュライト
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授乳室/清潔に整えられたおむつ替え、着替えのスペース
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授乳室/扉付きの個室
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立ち上がりを設置した植栽